“インスタ映え”が流行語大賞に選ばれたのは、もう5年も前のこと。
それでもなお、映えることに全身全霊をかける女が、東京には数多く存在する。
自称モデル・エリカ(27)もそのひとり。
そんな彼女が、“映え”のために新たに欲したのは「ヨガインストラクター」という肩書だった―。
エリカは、ヨガの世界で“8つの特別なルール”と出合う。しかし、これまでの生活とは相いれないルールばかりで…。
これは、瞑想と迷走を繰り返す、ひとりの女性の物語である。
◆これまでのあらすじ
狙っていたブランドアンバサダーの座は、ほかのインストラクターに奪われてしまった。思うようにいかず悶々とするエリカは、気晴らしに、インスタグラマー仲間の集まりに参加することに―。
▶前回:有名スポーツブランドのアンバサダーを目指す女。企業から誘われ、面談に行ったはいいが…
Vol.5 “映え友”からの甘い誘惑
「あ、エリカ!やっと来たー、もう遅いよ」
週の真ん中、水曜日の昼下がり。
私は、大手町にあるホテルのラウンジにやって来た。
15分遅れでの到着に、真保が軽くいら立っている。
「ごめん、真保。支度に時間がかかっちゃって」
真保は、ホテルグルメや旅の情報を発......
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この記事へのコメント
このメンバーの中で一番食えないやつなのだって、お前が言うなよ。