「女の敵は女」
よく言われる言葉ではあるが、これは正しくもあり間違ってもいる。
女同士の友情は感情が共鳴したときに仲が深くなり、逆に感情が衝突すると亀裂が生じ、愛情が憎しみへと変化する。
この亀裂をうまく修復できなったとき、友人は敵となる。
だが、うまく修復できればふたりの仲はより深いものになる。
ここに、性格が正反対のふたり女がいる。
ひょんなことから東京のど真ん中・恵比寿で、同居を始めたことで、ふたりの運命が回りだす…。
◆これまでのあらすじ
テレビ局プロデューサーの諒子は、大学の同級生・マリと再会し同居中。そんな中、学生時代に好きだった男・錠との仲が復活する。彼のダメ男ぶりに困惑しながらも仲は順調だったが、かつてマリが彼と寝ていたことを知り……。
▶前回:彼の部屋で見つけた“あるもの”に疑念を持った女。真相を確かめるべく問い詰めると…
Vol.6 嘲笑と軽蔑
ロブションのディナーのあと、マリは恵比寿ガーデンプレイスにあるライフに寄って帰るというので、諒子はひとりで帰宅した。
― よかった、ひとりになりたかったんだ。
『マリが錠と過去に関係を持っていた』
マリにとっては、なんてことないことだろう。だが、諒子はどうしても重く......
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