吉田 類vs大竹 聡 粋人に訊く酒場指南 Vol.2

2杯目

胸を打つ説教か笑顔か、
名物大将に会いに行くなら?

毎年、蔵元巡りを欠かさないという店主の筒井治雅さん

ヤキトリ マサ

やきとり雅

店主の日本酒愛を感じる品揃えが見事
Recommended by Yoshida

25歳で西荻窪に店を構えて今年で39年目。『やきとり雅』の店主・筒井治雅さんは、とにかくよく動く。
お客からの注文を取り、焼き台に立ち、酒も注ぐ。自らを「現場主義」というように、ただ腑瞰視するのはおそらく性に合わないのだろう。

1年中8℃に設定しているという店の冷蔵庫には140~50種もの日本酒がずらりと並ぶが、そのほとんどの蔵元に足を運び、醸造家とのコミュニケーションをとってきた。
「39年間で450以上の蔵をまわった。きっちり勉強するために毎年、毎年、欠かさず蔵に行くんです。そうして見聞きしてきたものは、僕の財産であり、この店の売りであり、誇りでもある」と筒井さんは言う。

去年は石巻、今年は三重、来年は?と訊ねると「長野か高知かな」と、いまから心待ちにしている様子。
「開店当初は地酒の“じ”の字もなかったですから。昭和52~3年ころに、越乃寒梅がきっかけで地酒ブームが起こって。うちの焼き鳥が1本30円だった時代に、千円でもいいから飲みたいって人もいたんですよ」

店主の日本酒愛を肌で感じながら、杯を傾けるのもまた楽しい。

左.「話好きな大将のダミ声を聞いていると日本酒の味わいが増すね!」

右.串焼き盛り合わせ¥700(6本)1本(¥130)からの注文も可

なめろう¥630。この店の隠れた名物

左.極上霜降り馬刺し¥2,000。福井の『白岳仙』純米吟醸が馬肉の風味を引き立てる。たてがみも美味

右.焼きおにぎり¥680(3個)おかかが香ばしい

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