酒には、様々な”思い出”がリンクする。
初めて飲んだときの高揚感、大切な人と無邪気に愉しむ夜の甘い味わい、仕事で失敗した夜に同僚と交わした苦い酒。
人生を彩る数々のシーンと、そのときに味わった酒の記憶は常にセットだ。
ここに、思い出深き一杯を今、改めて愉しもうとしている男がいる。
彼が大切な夜に、その酒を選んだ理由とは?
ホテルで鮨という最高の贅沢が叶う『鮨 和魂』
「ロンドン、香港、シンガポールを経て、今の僕の職場はニューヨーク。マンハッタン南端に位置するウォール街に身を置いて5年になります。今回は、仕事の都合で日本に一時帰国しています」
静かな佇まいながらも確かな自信をみなぎらせ、そう語るのは43歳の外資系金融企業に勤める男性だ。
そんな彼が、久しぶりの日本でのディナーに選んだ店は、『鮨 和魂/ザ・ペニンシュラ東京』。
「海外の仕事相手や、友人が日本に来た際に『ザ・ペニンシュラ東京』に泊まる場合が多いんです。それもあり、ペニンシュラにはよく来ていました。『鮨 和魂』も3年前のオープン以来、プライベートはもちろん会食の席などでも寄らせて頂いてます。
世界のどの国にも鮨店はあるし、そのクオリティは年々高まっているけれど、やはり日本で食べる鮨は格別です」
『フォーシーズンズホテル京都』にも店を構え、店名の通り“和の魂”を伝えるべく、昔ながらの江戸前鮨で客をもてなす『鮨 和魂/ザ・ペニンシュラ東京』。
ホテル鮨の最高峰として、人気の店だ。
「僕のお客さんの多くは、外国人とはいえ鮨を食べ慣れている方々ばかり。そんな舌が肥えた彼らを満足させるのは、なかなかハードルが高いのですが、和魂は毎回、彼らが絶賛してくれるので、絶大な信頼を寄せています」
この日、彼がこの店にエスコートしたのは、たまたま帰国のタイミングが重なった、同業のキャリア女性。
「海外暮らしが長くなると、“日本への郷愁”に駆られる場面があります。その最たるシーンが食事です。
彼女となら、お互いの境遇を労いながら、最新の情報交換もできるかな、と。彼女が鮨をリクエストしてきたので、迷わずこの店に予約を入れました」
席に着いたふたりがメニューの中からともにオーダーしたのは、『サントリー ジャパニーズ クラフトジン ROKU(六)』のソーダ割。
「僕がROKUを最初に飲んだのは、ニューヨークのバーでした。”ジン好きならきっと気に入るはずだ”と、外国人の同僚に勧められて飲んだのですが、鮮烈な香りに驚いたことを覚えています」
海外を舞台に活躍する男女が『ROKU』に魅了されたワケとは?
迷わずROKUのソーダ割を頼んだ彼女も同様に、ロンドンのバーで『サントリー ジャパニーズ クラフトジン ROKU(六)』と出会ったという。
ふたりをまず魅了したのは、芳醇な香りと爽やかな味わいだった。
「ジンならではの心地よいパンチもありながら、飲み口はやわらかく、上品。飲んだ瞬間、こんな繊細なジンがあるのか!と正直、驚いたんです。世界中のおいしいジンを愉しんできましたが、こんな印象は初めてでした」
彼女も深くうなずき、続ける。
「奥ゆかしさがありながらも、きちんとブレない芯があるというか。イギリス人のバーテンダーの方が、“君の国のジンだよ”って教えてくれたときは、驚きとともに少し誇らしかったな」
ROKUは、バー先進国であるニューヨークやイギリスを始め、世界60ヶ国以上で評価が高まっている日本発のクラフトジンなのだ。
また和食に合うジンとして、職人の徹底したこだわりが生み出す繊細な味わいが世界を魅了している。
「桜花、桜葉、煎茶、玉露、山椒、柚子という6種の和の素材を使用していると知って、和食と合うのも納得でした。さらに、いずれの素材も“旬”の時期に収穫するというのが、四季を大切にする日本らしいですよね」
男性の言葉に、彼女も微笑みを向ける。
「そう、奥ゆかしさの理由はそれか!って納得したよね。日本で飲むROKUのソーダ割は、いつも以上に美味しく感じる」
そう言って、ふたりは再び乾杯した。