「あの子…フツーじゃない!」
そんな風に言われる女たちが、あなたの周りにもいませんか?
― どうしても、あれが欲しい…
― もっと、私を見て欲しい…
― 絶対にこうなりたい…!
溢れ出る欲望を抑えられなくなったとき、人間はときにモンスターと化すのです。
東京にひしめくモンスターたち。
とどまることを知らない欲望の果て、女たちが成り果てた姿とは──?
早い女
「あ、男もう1人増えるかも。早紀ちゃん、あと1人女の子呼べる?」
ブルーのスーツに身を包んだツーブロックヘアの男が、早紀にそう言った。
今しがた仕事が終わった同僚あたりが、「今から飲めないか」と連絡でもしてきたのだろう。もしくは不発だった食事会かデートを抜け出してきたのかもしれない。
金曜日、23時。ここは麻布十番。ツーブロック男の自宅で、“ホームパーティー”という名のお食事会。
よくある風景だろう。…ここまでは。
おもむろにスマホを取り出した早紀は、慣れた手付きで誰かにLINEを打ち始めると、間を置かずに答える。
「捕まった、すぐ来るって」
「お、仕事早いね。さすが早紀ちゃん」
「まあね」
早紀は、得意げな表情を男に投げかけた。
しかし…。
しばらくして男から視線が逸れたことを確認すると、今度は女性陣に視線を投げかける。
何かを共有するように、目配せする女たち。
口角は、微かに吊り上がる。
意味ありげなその視線は、強固な線となり、女たちの結束を固めているようにも見える。
早紀が呼んだ女は、一体何者なのか──。
この記事へのコメント
コスパ悪いと思うし、体力もつのかな? 一ミリも共感出来なかったよ。