
富裕層が本当に好む家とは?都心マンションライフにいま異変が起きていた!
マンションの購入を考える際、2つの選択肢がある。
「高層マンション」にするか「低層マンション」にするか?という選択だ。
近年、資産価値の高さから富裕層、一般層ともにタワーマンションの購入を考える人が多かった。
だが、最近その流れに変化が現れ「富裕層たちが低層マンション」へと流れているというのだ。
元来、低層マンションには富裕層が住むという定説はあったが、最近その流れが加速しているという。
さて、その理由とは?
▶前回:“良い物件”を見分けるテクニック!モデルルームでチェックすべきポイントとは
富裕層が「タワマン」から「低層マンション」に住み替えを始めている!?
「これまでタワマンに住んでいた富裕層が、『低層マンション』に住み替える動きが見られます」
そんな話をしてくれたのは、高級マンションジャーナリストの坂根康裕さんだ。
「トレンドと言い切るには、まだそれほど顕在化しているという印象は正直ありません。
ただ、低層マンションや戸建ての販売現場で、タワマンからの住み替えが思った以上に多い、という感想を聞くようになりました」(坂根さん)
まず、ここでいう「低層マンション」の定義について、説明しておこう。
これという定義はないが、13種類ある用途地域のうち最も厳しい規制が敷かれる「第一種低層住居専用地域」に建てられる3階から5階建て程度のマンションが、主に「低層マンション」とされている。
坂根さんによると、タワマンから低層マンションへと移住する人の年齢や属性に目立った傾向はないという。
ただ、低層マンションといえば、超高級マンションの代表格。よって、必然的に高所得者は多いだろうと語る。
これまでの連載でも、タワーマンションの資産性の高さについては言及してきた。それなのになぜ、富裕層たちは低層マンションに移住しているのだろうか?
「単純にタワーマンションが増えてきたので、タワーマンションを売却する人も増えてきた、と考えるのが妥当かもしれません」(同)
住友不動産が、日本初のタワーマンションとされる「与野ハウス」(高さ66メートル、22階建て)を、建設したのが1976年。その後、2000年頃から本格的にタワマンの建設ラッシュがスタートし、現在のタワマンブームへと繋がった。
一般的にマンションは、大規模修繕を築10~20年ほどでおこなう場合が多い。2000年代に建てられたタワマンが、2022年になったいま、正に大規模修繕を行うタイミングというのもあり、コスト増を恐れて資産家たちが住み替えを考え始めているのだ。
「すべての人を100%満足させることができないように、タワマンライフも良いところ、そうでないところがあります。
住み替えを考える理由の1つに、『災害』への恐れもあるように感じます。
停電時、エレベーターや給水ポンプが使えないと困るなど、災害時のことを考えると地面に近い方が安心ということかもしれません」(同)
また、タワマンは、投資や節税目的のセカンドハウスとして所持し、実際に住むのは低層マンション、という富裕層も存在するとのこと。
さて、こうした動きを、売り手側はどう考えているのか?