皆さんは「オールド・ファッションド」というカクテルをご存じだろうか?
19世紀(1800年代)に競馬場のバーテンダーが作ったとされるこのカクテルは、Drinks International社が毎年発表している「世界で人気のクラシックカクテルベスト50」で7年連続1位を獲得。
名実ともに世界一のカクテルとなっている。バーボンをベースに作られることが多いが、ライ・ウイスキーやラムを使っても美味。
さっそくオールド・ファッションドの魅力に迫ってみよう。
今宵訪れたBARは恵比寿の隠れ家『BAR TRENCH』
足を運んだのは恵比寿の路地裏に佇む『BAR TRENCH(バー トレンチ)』。
【ASIA'S 50 BEST BARS 2021】に6年連続で選ばれている、実力派のカクテルバーだ。
一般的なオーセンティック・バーと違い、インターナショナルでカジュアルな雰囲気で愉しむことができるのが特徴。しかしドリンクのクオリティは高く、初心者からハイエンドユーザーまで、訪れる人すべてを満足させる希少なバーと言える。
また、薬草系リキュールのひとつである「アブサン(アプサン)」を多種揃えているが、マニアックに偏っていないことも魅力のひとつだ。
さて、多くのファンを抱えるバーでいただくなら、どんなカクテルがいいだろうか?
「カクテルバー」と銘打つ店では、普段とは少し違うものにトライしたい。
バーテンダーの実力を測りつつ、冬宵に彩りを添える…、そんな特別なカクテルを愉しみたい。
「世界でも人気の高い、オールド・ファッションドというカクテルはいかがですか?」
「寒い冬におすすめのカクテルは?」そう尋ねると、「オールド・ファッションドはいかがですか?」と、バーテンダーが明瞭に答えた。
日本ではまだ耳馴染みのない人が多いカクテル「オールド・ファッションド」。
世界的にファンを擁するクラシカルなカクテルで、シンプルなレシピであるがゆえに、酒や素材の旨み、バーテンダーの腕、店の雰囲気、そのすべてが味に影響を及ぼす。
氷がゆるやかに解けるにしたがって味わいや余韻が変わるこのカクテルは「男性にも女性にも幅広く受け入れてもらえる、懐の深いカクテル」なのだと『バー トレンチ』のオーナー・伊藤拓也さん。
さて今回、オールド・ファッションドのベースのお酒としてオーダーしたのは、開拓者のウイスキーとして名高い「ブレット バーボン」、そして雲の上で熟成される奇跡のラム酒「ロン サカパ」。
「ブレット バーボン」は1700年代にアメリカに移住したフランス人オーガスタ・ブレット氏が、母国のブランデーを参考にして造り上げたバーボンで、開拓者に愛されたストーリーを持つ。アルコール度数は45度。ライ麦の使用比率が高く、独特の香味が旨さを引き立てている。
「ロン サカパ」は南米グアテマラで生みだされるラムで、より甘く、よりスムーズな味わいを生み出すため、凝縮したサトウキビの一番搾り汁を使って醸造。パイナップルから抽出した独自酵母を使うなどこだわりに溢れる酒で、海抜2,300メートルにある「雲の上の家」で熟成を行うことで生み出される芳醇な味わいが特徴だ。
それぞれが味わい深い逸品。さて、この2種のお酒をベースに使ったオールド・ファッションドの気になる味は???