恋愛クラッシャーな女たち Vol.3

交際半年の彼に、1枚の紙切れを手渡した女。書かれていた内容を見た男は、態度を豹変させ…?

神木勇太(28歳・トレーニングジム勤務)の答え


ジムの仕事に自分のトレーニングと忙しくしていたが、コロナ禍で時間を持て余すことが増えた。

そこで、ゆくゆくは独立してジムを開きたいと思っていた僕は、この時間を勉強にあてようと決めたのだ。

そんなときに見つけたのが、ある解剖学のセミナーだった。

マニアックで専門的な講座だからだろう。参加者のほとんどが男性で、年齢も30代後半からといったところ。だから、そこに参加していた紗知はいろいろな意味で目立っていた。

― こういうオンラインセミナーに参加する女性って、どんな仕事をしているんだろう。

そう思って、僕のほうからチャットで声をかけた。それからすぐに連絡を取り合うようになり、付き合い始めるまでにそう時間はかからなかった。



紗知は、とにかく勉強熱心だ。

今できることは何でもしておきたいと、いろいろなセミナーに参加したり、資格の勉強をしたり。前向きで向上心のある彼女を近くで見ていると、自分も頑張ろうと思えた。

― 紗知とは気も合うし、一緒にいると張り合いがあるんだよな。

それに彼女が興味を持つセミナーは「いいな!」と感じるものが多い。“見る目”というのか、そういうセンスにも一目置いていた。


…だが僕は、紗知のことを頼りすぎてしまったのかもしれない。

あるとき調べ物が苦手だと口にすると、彼女はいろいろな資料を持ってきてくれるようになった。最初は、それをありがたいと思っていた。

けれど、勧めるときの彼女の口調が、だんだん上から目線に感じられるようになってきてしまったのだ。

「じゃあ、これは?こっちもいいね!勇太は絶対に、この資格を取るべきだと思う」

「いや、本当に助かるよ!ありがとう」

― 「絶対に」って、もうちょっと別の言い方はないのかな。

表面上では笑って見せたが、内心では悪態をついていた。

さらには次から次へと提案されるものが、あまりにも的確すぎたのだ。僕には足りないものがこんなにあるのかと、軌道修正されているような窮屈さを感じて、ため息が漏れる。

車の免許だってそうだ。

正直に言うと、車の免許を持っていないことはひそかなコンプレックスでもある。

なくても困らないからと後回しにしていたら、元カノから「ドライブデートがしたい」と何度も言われるようになり、肩身の狭い思いをした。

それを、紗知からも言われてしまったのだ。

家族やお金の話が飛び出したときには、徐々に外堀を埋められているかのような気がして尻込みしてしまった。

― 紗知は、僕にいろんなことを期待しすぎているんじゃないか。

もしそうなら、自分の将来のことで悩んでいる今の僕では、その希望に応えられない気がする。

それに紗知が言う“やったほうがいいこと”で頭がいっぱいになっていたけど、自分がやりたいことを優先したいという気持ちもある。

そこで僕は講座に参加することを口実に、彼女への連絡を減らしていったのだった。


Action1「お互いに高め合っていける関係を目指して、情報を共有しあった」
答えは× ⇒彼女の向上心の高さを尊敬していたし、自分の励みにもなっていた。

Action2「調べ物が苦手な彼のため、おすすめのセミナーや資格を探した」
答えは〇 ⇒次第に、自分の進路を軌道修正されているかのような窮屈さを感じてしまった。



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