2021.06.21
SPECIAL TALK Vol.81令和のニューリーダーたちへ
発展途上国の職人たちと濃密なコミュニケーションを行うことで、現地の素材を使用した高品質な商品を世に送り出しているマザーハウス。
創業者である山口絵理子氏は自身でバッグやアパレルのデザインも手掛けているが、もともとは起業家もデザイナーも目指してはいなかった。
小学校時代にいじめに遭い、教育を変えたいと思っていた山口氏がなぜ途上国でブランドを立ち上げることになったのか。
誰かに敷かれたレールではなく、道なき道を進むことが「楽しい」と話す山口氏。
これまでの歩みを振り返ることで、日本に欠けていて途上国にはあるものを紐解くとともに、次代を切り拓くニューリーダーとしての心構えを探る。
金丸:本日は株式会社マザーハウスの山口絵理子さんをお招きしました。お忙しいなか、ありがとうございます。
山口:こちらこそ、お招きいただき光栄です。
金丸:お話を伺う舞台は『南青山 七鳥目』です。その名のとおり、港区南青山7丁目にある焼き鳥のお店。オープンして5年目ですが、初年度から予約困難になるほど人気で、安全な飼料で長期飼育された「松風地鶏」をはじめ、各地の地鶏を最高級の炭でいただけるそうです。
山口:すごく楽しみです。
金丸:まず、マザーハウスについて簡単に教えてください。
山口:マザーハウスは「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げ、2006年にバングラデシュで起業しました。
金丸:では、素材もバングラデシュのものを?
山口:はい。その土地の特産物を掘り起こして商品にするのが、私は好きなんです。バングラデシュはジュートという麻や牛革が有名なので、それを使ってバッグを作ったのが始まりです。現在はインドで洋服、ネパールでストール、スリランカ、インドネシア、ミャンマーではジュエリーと、各地の特色を生かした商品づくりをしています。
金丸:どこでも手に入るのではないという希少性が、ブランドの力になっているわけですね。最近では食品も扱っているとか。
山口:今年からインドネシアのカカオを使ったチョコレートの販売を始めました。
金丸:どのような形態で販売されているのですか?
山口:直営店が国内に34店舗あり、海外は台湾、香港、シンガポール、パリに出店しています。あとはオンラインショップですね。
金丸:ちなみに商品の価格帯は?
山口:バッグだと平均単価が3万2,000円くらいです。
金丸:当然ながら「安さ」をウリにはしていない。途上国の労働力を安く使っているに過ぎないですからね。
山口:もちろんです。工場は自前ですし、労働管理も自社で行っています。今、バングラデシュの工場には250名の工員がいます。お客様には「国際貢献のため」という理由ではなく、商品の良さで買っていただきたい。だから品質には妥協しません。職人にレベルの高いことを要求しているぶん、給与も労働環境も現地ではトップクラスです。
金丸:バングラデシュは日本よりも人口が多いですよね。
山口:今、1億6,000万人くらいです。
金丸:日本よりも人口が多く、エネルギッシュな国。そこで活躍されている山口さんですから、今日はエネルギーにあふれたお話を伺えるはずです。どうぞよろしくお願いします。
【SPECIAL TALK】の記事一覧
2023.05.19
Vol.104
~病気に苦しむ人だけではなく、日本の医療界を救う医者になりたい~
2023.04.21
Vol.103
~個人の適性に見合った教育で日本の変革を目指したい~
2023.03.20
Vol.102
~世界最高峰をこの目で見た経験を生かし、人が集まるいい環境を作りたい~
2023.02.21
Vol.101
~地方から日本を変えていきたい。上京しても忘れなかった原体験がある~
2023.01.20
Vol.100
~違う自分に会いたいからこそ積み上げたものを崩し、新境地を目指す~
2022.12.21
Vol.99
~研究者として、教育者として、人をより自在に少年の心を忘れず新たな世界を拓きたい~
2022.11.21
Vol.98
~分野を問わず、そのときの自分にできることを。あらゆる経験を生かしてフードロス問題に挑戦したい~
2022.10.21
Vol.97
~メディアとしてではなく一職人として。伝統工芸の魅力を新しい立場から発信したい~
2022.09.21
Vol.96
~人と競うのではなく自然と対峙したい。未知への探究心が山への挑戦を支えている~
2022.08.20
Vol.95
~人生で一番やりたいことを最初にやれた。今は体当たりで社会に貢献していきたい~
2022.07.21
Vol.94
~いいか悪いかは、実験してみないと分からない。好奇心とデータを武器に未来のかたちを探る~
2022.06.21
Vol.93
~世の中を良くするプラットフォームを通じて、次世代を担うリーダーへバトンを繋ぎたい~
2022.05.20
Vol.92
~アフリカの村に飛び込んで分かった、日本に今足りない「やってみよう」の精神~
2022.04.21
Vol.91
~顔や体の悩みを解決するだけで前向きにストレス社会における整体師の使命を考える~
2022.03.19
Vol.90
~トレーニングの常識をアップデートさせ、“美尻”を切り口に人びとを健康にしたい~
2022.02.21
Vol.89
~失敗したからこそ挑戦を恐れなくなった女優の新しいカタチを切り拓きたい~
2022.01.21
Vol.88
~夢を語るのが得意。人工知能を武器に日本人の働き方を変えたい~
2021.12.21
Vol.87
~人と自然を繋ぐため左官の技を磨き、職人文化を次世代へと伝えたい~
2021.11.20
Vol.86
~フェンシングの格好良さを伝えたい。ハングリー精神があったからこそ駆け抜けてこられた~
2021.10.21
Vol.85
~自分のためではなく、チームそしてリーグのために。経営者としての強みを異分野で生かしたい~
2021.09.21
Vol.84
~一番眠りにこだわる人に最高の睡眠を。その熱意で倒産寸前の企業でも、世界レベルの製品を生み出せた~
2021.08.20
Vol.83
~退屈をなくすために必要なのは没頭。テクノロジーの力で既存の体験をより価値のあるものへ~
2021.07.21
Vol.82
~ハンドボール文化を日本にも。プレーヤーとしての挑戦は試合だけじゃない~
2021.04.21
Vol.79
~枠にとらわれず、やりたいことをやる。アートと科学の融合で夢想した未来を現実に~
2021.03.19
Vol.78
~やりたいことがやれる人を増やす。自動収穫ロボットで農業を変え、世界を変えたい~
2021.02.20
Vol.77
~自分の目で現地の状況を見て、伝える。興味の赴くまま、自分にできることを見つけてきた~
2021.01.21
Vol.76
~フィットネスは、何歳からでも遅くない。人生を好転させるほどの楽しさを伝えたい~
2020.12.21
Vol.75
~あらゆる分野と繋がるワイン産業から日本の問題点を洗い出す~
2020.11.21
Vol.74
~この体だからこそできることをやりたい。逆境を覆しつづけてきた自信が、次なる挑戦に繋がる~
2020.10.21
Vol.73
~半導体もワインも同じものづくり。異色の二本柱で挑戦していきたい~
おすすめ記事
2021.05.21
SPECIAL TALK Vol.80
~ひとりでとことん建築に没頭した6年が、建築家としての存在意義を見出した~
2016.07.20
有名企業の役員も御用達! 接待を成功に導くレストラン5選
2015.12.18
接待慣れした美食家はここでもてなせ!サプライズで喜ばせる名店6選
2016.10.17
彼が言うなら間違いない!松岡修造が伝授する“デキる人”になるための10ケ条
- PR
2023.05.26
結婚を意識する3年目のふたりの、艶やかな6月の過ごし方
2017.02.24
TBS&博報堂社員に聞いた、赤坂でリアルに通う名店8選
2015.10.01
究極の接待は超名店の貸切!貸切OKの名店5選
2015.08.10
話題の企業の仕掛人たちがリアルに通い詰める常連店8選
2023.04.08
後輩を誘って、恵比寿でランチ会ならここへ!「センスいい」と喜ばれる人気店4選
2018.09.01
¥100でハイボールと唐揚げ、泡飲み放題¥5,500!お洒落なのに低コストな「新・飲み会の聖地」はココ!
東京カレンダーショッピング
ロングヒット記事
2023.04.26
【ご報告】
ヒモ同然だった元カレが、司法試験に合格。生まれ変わった彼から差し出された、封筒の中身は…
2023.05.05
甘いひとくち〜凛子のスイーツ探訪記〜
「ちょっと休んでくるね…」休日デートの途中、31歳女が涙をこらえて彼氏から逃げたワケ
2023.04.23
男と女の答えあわせ【A】
女性の家で目を覚ました瞬間に、慌てて帰った男。部屋でうっかり見えてしまったモノに驚愕し…
2023.05.14
ハワイに憧れて
離婚して10年経っても、元妻に会い続ける男。不審に思った現妻が、夫を問いただすと…
2023.04.22
男と女の答えあわせ【Q】
3度目のデートでキス。「付き合おう」と言って家まで来たのに、翌朝に男が慌てて帰った理由
2023.04.28
スモールワールド~上流階級の社会~
「花嫁は彼のこと、好きじゃなさそう」結婚式に出席した無邪気な女子が、そう思った理由とは…
2023.05.09
二世お受験物語
名門校卒だと知られた途端、教室のママ友たちの「見る目」が変わり…。“二世受験”の苦悩
2023.05.16
AM9時、六本木のカフェで
カフェで堂々と別れ話をするカップルに遭遇。思わず聞き耳を立てた女が、恥ずかしさに頬を赤らめたワケ
2023.04.27
許さない女、許す男
離婚から1年。男が初めて別れを後悔した、元妻からのLINEの中身とは?
2023.05.04
嘘
嘘:計画通り“医者”を捕まえた32歳女。しかし婚約直後、知りたくなかった彼の本性に触れ…