森脇慶子の「旬カレンダー」 Vol.4

オオバ

大羽

夏の季語を味わい
日本の旬を舌で愉しむ

″鯵のなめろう″(写真は3人前¥3,500)。みょうがや大根、大葉などのツマと合わせてサラダ風に食べるのが大羽流。″鯵のつみれ″¥800。料理は仕入れで変わるので予約にて確認を

“夕河岸の鯵売る聲や雨上がり”と永井荷風が詠み、かの新井白石はその著書『東雅』で“鯵はアジなり”とまで礼讃した、日本を代表する大衆魚・鯵。年間を通して食べられてはいるが、夏の季語として使われているように、旬は5~7月。一説によれば味の良さからこの名があるとも言われている。

「鯵は青魚特有の風味を持ちつつもクセがなく、味わいは淡白。それでいて、豊かな旨みを兼ね揃えた優等生。特に6~7月は肉厚で脂ものり、最高ですよ」

人懐っこい笑顔でこう語るのは大羽耕一氏。銀座の知る人ぞ知る名店『大羽』のご主人である。海の無い長野に生まれ育ち、魚に憧れ料理人になった大羽氏だけに、魚への思い入れは人一倍。毎朝築地で仕入れる魚介類は、生半可な鮨屋も顔負けの質の高さだ。

鯵も然り。今回は食感を残して粗めに叩き、味噌や生姜、葱を和えてなめろうに。通常より控えめに入れた味噌のコクが鯵の風味を損なうこと無く味を引き締め、やや粘りを帯びた小気味良い歯応えは、鯵の新たな魅力を教えてくれるはず。つみれ共々、刺身でも十分食べられる鯵なればこその美味である。

●もりわきけいこ
美味の食べ歩きに日々邁進し、綿密な取材と豊富な経験に基づく記事で定評のあるフードライター。真の旬を伝えるべく、その時期とっておきの美味にありつける名店を紹介


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