リバーシ~光と闇の攻防~ Vol.4

「彼のためなら何でも…」上司に心酔する女が引き受けてしまった、禁断の仕事

秘書としての仕事


「嫉妬かも」

「嫉妬!?」

秋帆は予想外の答えに、素っ頓狂な声を上げてしまう。ひかりは誰もが名前を聞いたことがあるだろう大企業の勤め人だ。人数にして30人程度の会社の何がうらやましいというのだろうか。

― 絶対ないでしょ。

同意しかねるという顔を向けると、彼女はこう続けた。

「この会社、とにかく待遇が良いじゃない?広告業界じゃ有名な話よ。

今は、大企業と言っても、家賃補助もカットされて、賞与も減って大変みたいね。そのお友達、実はこの会社に転職考えてるとか?もしくは、過去にこの会社を受けてダメだったとか?」

その言葉に、秋帆は咄嗟に自宅マンションを思い出した。破格の給与をもらっている上に、社員寮まで貸与されている。

― ひかりが私を羨んでいる…?

高校時代、秋帆はひかりに負けてばかりだった。成績も運動神経も、男性からの人気もすべて。いつも敵わない存在だと思っていた。

そんな彼女に羨まれるなんて。秋帆の頬がフッと緩む。

― 黒川社長が言ってた通りなのかも。

最後まで理由を言わなかったのも合点がいく。ひかりは悔しかったのかもしれない。

秋帆は、黒川にプレゼントしてもらったワンピースを誇らしげに見つめた。


迎えた歓迎会。

手短に自己紹介を終えた秋帆は、早速社員のところに挨拶して回った。そして、さりげなく黒川への印象を聞きだして頭の中にインプットする。

「黒川さん? いい人だと思うよ。結果に厳しいけど、ちゃんと評価はしてくれるし」

「そうねぇ、色々なプロジェクト参加して......


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