乗れるものなら、玉の輿 Vol.12

結局、結婚相手に経済力って必要なの?「乗れるものなら、玉の輿」全話総集編

時代が令和になっても…。

女性の自立や自由恋愛がどんなに叫ばれても…。

「お金より愛が大事」と口ではいくら言っていても…。

「やっぱり、玉の輿に乗りたい」と本音では思っている女は一定数いる。

大手通信会社で働く“玉の輿”狙いの小春(25)と

“女なんて金でどうにでもなる”と豪語する会社経営者・恭介(32)との恋愛攻防戦。

軍配はどちらにあがる?

「乗れるものなら、玉の輿」一挙に全話おさらい!

第1話:溝の口・家賃8万の部屋に住む“ひとり焼肉女子”。彼女が結婚相手に求める唯一の条件

小春の実家は、埼玉の西川口。銀行員の父と、専業主婦の母との間に生まれた一人娘だ。裕福でもなければ貧しくもない、いわゆる”一般家庭”だと思う。

小春は、サラリーマンのくせに外食やゴルフで散財し、家のことを何もしない偉そうな父親が昔から嫌いだった。

それに、そんな父に不満を抱いていた母から、『お金に余裕がないと、心にも余裕がなくなるから。小春は、お金持ちと結婚しなさい』と言われて育った。

だから、父親のような普通のサラリーマンとは絶対に結婚しない。結婚するなら経済力のある人とする、と幼い頃から決めているのだ。

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第2話:「男なんて単純よ…」イケメン経営者を落とすため、インスタのストーリーを活用する女の手口

『恭介:フォローありがとうございます。どこかでお会いしましたか?』

ーとりあえず、悪くない反応ね。

仕事帰りに、溝の口のホルモン屋に1人で立ち寄っていた小春は、恭介からのメッセージをみて、フフっと笑みを浮かべた。

有名経営者・朝比奈 恭介のInstagramをフォローしたら、早速彼からDMが届いたのだ。

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第3話:「まだ、帰りたくない…」デートの帰り際、自分から誘う女。意外な男の反応とは

爽やかな恭介の横顔は、まるで田舎から出てきた学生みたいに無防備で可愛くて、見とれてしまう。

ここで帰るのは、作戦的には全く問題はない。恭介に付き合っている女性がいないことや、所有している車の台数、住んでいるマンションのクオリティなど、知りたいことはデート中にほとんど聞き出した。

それに、またすぐデートに誘ってもらえる自信も小春にはあった。恭介から、次会える日をさっき聞かれたばかりだからだ。

―でも、まだ帰りたくない。

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第4話:“上下バラバラの下着”で、勝負デートに臨む女の本音。彼女が男に期待することとは

「小春ちゃん、うち来る?」

恭介に誘われた小春は、即答できなかった。最初のデートで男の部屋に行くなんて、誰に対しても同じことをしている軽い女だと思われてしまうし、どんな恋愛マニュアル本にでも書いてあるタブーなことの1つだ。

―どうしよう…。

返事に迷った小春は、苦し紛れに恭介に尋ねた。

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第5話:「特別な存在だから…?」気軽に“サシ飲み”に誘ってくるアラサー男子の本音

ドライブデートの後、恭介の家にノコノコとついてきた小春だったが、その後パタリと連絡が途絶えた。気になってはいたが、どうせ軽い女だと思われるのが嫌だとかいう女心なんだろう、と推測していた。

小春に探りを入れるために、四ツ谷にある高級寿司に誘うLINEを一昨日送ったらすぐに食らいついてきた。

結局、高級寿司に釣られるその辺の女と一緒だったのかと思うと、自分から誘ったくせに、恭介は少しだけ寂しい気持ちになっていたのだった。

大木戸坂下の交差点の信号待ちで脚のストレッチを始めた、その時だった。

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第6話:今日は彼女とお泊り…と考えていた32歳男。デートを早々に切り上げ、1人で帰宅したワケ

― きっと小春は、今日が楽しみで仕方ないんだろうな…。

食べる機会のない高級寿司を前に見せる満面の笑みと、一貫食べるごとに感動を隠せずはしゃぐ姿を想像した。

大人びていても、小春はまだ25歳のOLだ。回らない寿司を食べに行く機会だって、そうそうないだろうと高を括っていた。

しかし、寿司屋に現れた小春は、恭介の予想を裏切った。

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第7話:「部屋汚いから…」と言い訳して。女を決して家に入れない、男の本音

寿司屋デートのあと、タクシーで小春を溝の口まで送り届け、恭介はそのままタクシーで東新宿の自宅に戻った。

家に着きソファに腰を下ろすと、恭介はそこからしばらく動けなくなった。

『いいよ、私。恭介になら抱かれても』

友達だと思っていた佑未の衝撃的な発言が、頭から離れない。

― 突然、なんであんなことを言い出したんだろう…。

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第8話:「実は、俺…」モテるのに、彼女が長年いない男の本音を聞いて…。女が動揺を隠せなかった夜

「よかったな、同じ店じゃなくて」

池尻大橋から数分歩いた場所にあるカジュアルフレンチの店内。恭介を見かけてから上の空の小春を気遣うように、祐馬が言った。

小春が想いを寄せている恭介が、他の女性と仲良さそうに歩いているところを、ついさっき二人は見かけたのだ。恭介が女性と入って行ったのは本店で、小春たちが今いるのは、そのすぐ60m先にある2号店。

「別に鉢合わせしてもよかったけどね。恭介さんと私、付き合ってるわけじゃないからお互い誰とデートしようが自由だしさ」

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第9話:「彼女と付き合いたいと思っていたのに…」男がドン引きした、女の失言とは

「大丈夫?送っていこうか」と恭介が何度も声をかけたが、小春は「今日は一人で帰りたい」と言い張り、店を出てすぐに自らタクシーを止めた。

「気をつけて帰ってね」

恭介は、小春がタクシーに乗り込む姿を見届けるしかなかった。

「はい…すみません、飲みすぎちゃって。美味しかったです。ごちそうさまでした」

小春は丁寧に礼を言いタクシーに向かったが、乗り込む直前で足を止め、恭介のほうに向き直った。

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第10話:「なんだよそれ…」告白するつもりで誘ったデート。女のある発言で、男の気持ちが萎えたワケ

恭介の肩書きや、所有している車の数などを言うだけで、中身の薄っぺらい女たちは“すごーい♡”と目をキラキラさせる。彼女たちも自らの若さと美しさの価値をわかっており、その輝きと引き換えに贅沢な物や体験をねだった。

その単純な構図が楽で、今までは女の扱いに頭を悩ますことはなかった。だから恭介は、小春に何と連絡したらいいかわからないのだ。

『恭介:今日会えない?』

会ったときにちゃんと告白することを伝えようと、散々文章をこねくり回した。しかし、読み返してみると、かなりの長文で気持ち悪く、結局シンプルな一言を送った。

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第11話:「キスより先は無理…」付き合って1ヶ月。女が、彼氏とのスキンシップを未だに拒む理由

「小春、今日はうちに泊まってけよ」
「あ…うん」

小春が頷くと、祐馬は安心したような笑顔になり、小春の手を優しく握った。大江戸線から青山一丁目で半蔵門線に乗り換え、祐馬の住む駒沢大学駅へと向かう。

ほろ酔いなこともあり、小春はふわふわとした感覚のまま、電車の中で祐馬が話す色んなトピックに笑顔で相槌を打っていた。

そうすることで、わざと感知しないようにしていたのだ。祐馬から時折注がれる、熱い視線を。

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