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  • 期間は1カ月。結婚相手を見つけるために、29歳の女がやってみたこととは

    「ねえ聞いて、美穂…」

    ある夜、麻里奈は親友の美穂とオンライン電話をしていた。

    「久々に信吾の顔を見たら、やっぱりいいなあって思っちゃった。賢治さんからのお誘い、どうしよう…」

    賢治は素晴らしい男性だと思うが、ときめきを一切感じない。このままズルズルと連絡を取り続けていて良いものだろうか。

    ため息をつく麻里奈に、美穂はぴしゃりと告げた。

    「ドキドキを優先するなら信吾くんだけど、とにかく結婚がしたいんでしょ?だったら賢治さんを切らずに、もう一度会ってみたら?」

    6月27日(誕生日まで約1週間):これって本気デート?オシャレなレストランのお誘い


    結局、賢治の誘いを受け、週末にランチデートをすることになった。

    ところが、彼から送られてきたお店のURLを見て、麻里奈は目を丸くした。

    「えっ、ここって…」

    そこは、麻里奈もずっと前から憧れていた有名なフレンチレストランだったのだ。

    「これってもしかして…本気デート?」

    少し緊張しながら、店の扉をあける。今日のファッションは、休日昼下がりにふさわしいけれど、きちんと感も忘れない、爽やかで女性らしいセットアップにした。


    「あの…麻里奈さん」

    食事中は他愛もない話に花を咲かせていたが、食後のコーヒーが運ばれてきたタイミングで、賢治の表情が急に真剣なものに変わった。

    「初めてお会いした日から、タイプだと思ってました。落ち着いた女性らしい雰囲気とかすごく好きだし、ちゃんとしていて素敵な奥さんになりそうな方だなと思って…。結婚を前提に付き合ってください」

    「えっ…」

    実は、今日告白される予感は薄々あった。だがいざとなると、何と答えたらいいかわからない。

    「返事はすぐじゃなくてもいいんです。考えてみてください」

    結局その場では答えが出せず、保留にしてしまった。

    7月3日(誕生日まであと2日):開放感のあるテラスで、二人の距離が一気に縮まって…


    誕生日目前の週末。麻里奈は、目覚めのコーヒーを飲みながら、スマホを片手にぼんやりと考えていた。

    『麻里奈さん、今週末は何をしていますか?お誕生日のお祝いもしたいし、数日早いけれどデートしませんか』

    それは、昨晩届いた賢治からのLINE。告白の返事もまだ保留にしたままなのに、こうして変わらず誘ってくれる。

    ― 結婚したいなら、このまま賢治さんと幸せになるのがベストだよね…。

    30歳の誕生日までに、結婚前提に付き合える恋人を作るのが目標だった。そのゴールは、すぐそこに見えている。

    不意に、賢治の告白の言葉を思い出した。落ち着いた女性らしい雰囲気だとか、ちゃんとしていて素敵な奥さんになりそうだなんて、人から初めて言われた。

    「もしかして、美穂に言われたとおり、ファッションでイメージチェンジしたのが正解だったのかも。『index』の服のおかげかな?

    そういえば、信吾からもファッションを褒めてもらえた…」

    信吾のことを思い浮かべた途端、胸がキュッと締め付けられる。

    その瞬間、麻里奈はハッとして、賢治へのLINEを打ちかけていた手を止めた。

    ― この感覚…。

    今まで、30までになんとかしなきゃと焦ってばかりいた。だけどやっぱり自分は、この感情を大切にしたい。本当に好きな人と、ドキドキする恋愛をして結婚したいのだ。

    ようやく答えが出た。麻里奈はもう一度、LINEを打ち始める。

    『ねえ、今日って何してる?』

    メッセージの送り先は、賢治ではない。

    『今、なんかすごく信吾に会いたいよ』


    それから数時間後。

    「信吾!お待たせ」

    2人が待ち合わせをしたのは、テラス席が気持ちよい紀尾井町のレストラン。麻里奈を見て、信吾は優しく微笑んだ。

    「今日はまた、この前と雰囲気違うんだな。でも、似合ってるよ」

    信吾と初めてのちゃんとしたデート。麻里奈が選んだ洋服は、夏らしいワンピースだった。少し前に『index』の店舗で一目ぼれしたものだ。

    今日は、彼が好きそうかどうかよりも、純粋に“自分が好きな服”を選んだ。自分の気持ちに素直になりたかったから。

    ― 今日こそ、私の気持ちを伝えたい。

    意を決して、口を開こうとした瞬間だった。麻里奈の目の前に、可愛らしいお花のブーケが差し出される。

    「えっ…」
    「あさって誕生日だろ?おめでとう」

    麻里奈は思わず素っ頓狂な声をあげた。

    「なんで私の誕生日知ってるの!?」
    「前に飲んだとき、酔っぱらって、誕生日が7月5日だとか、30歳になりたくないだとか、さんざん愚痴ってたじゃん。あれだけ聞いたら、覚えるに決まってるだろ…」

    信吾は呆れた表情を浮かべるが、その目はとても温かい。嬉しくて泣きそうになるのを、麻里奈は必死でこらえる。

    「30歳になるのが憂鬱だったけど…今までで一番の誕生日が迎えられそう。信吾、ありがとう」

    テラス席には、太陽の光が燦燦と降り注いでいる。

    30歳の夏はとびきり楽しいものになりそうな予感がして、麻里奈はにっこり笑い、信吾と見つめ合うのだった。

    Fin.

    イメージチェンジに成功した麻里奈が、この1カ月間着ていた『index』の詳細はこちら>>

    ■モデル着用アイテム(全て税込価格)
    P1.
    クルーネックニット 3,289円 フープピアス 2,530円 ミニショルダーバッグ(エコバッグ付)2,750円/すべてOPAQUE.CLIP(index)
    花柄スカート 6,589円/index

    P2.
    1枚目 タックスリーブブラウス 3,289円 プリーツスカート 4,389円/ともにindex
    ストーンピアス 1,980円 ミニトートバッグ(エコバッグ付)3,850円/ともにOPAQUE.CLIP(index)

    2枚目 キーネックカットソー 2,530円 ラップスカート 5,489円 ジャケット 7,689円 リボンボストンバッグ 5,489円/すべてindex
    スクエアピアス 1,980円/OPAQUE.CLIP(index)

    P3.
    1枚目 フレアスリーブカットソー 3,289円 タイトスカート 4,389円/ともにindex
    フープピアス 2,530円 ミニショルダーバッグ(エコバッグ付)3,289円/ともにOPAQUE.CLIP(index)

    2枚目
    キャミワンピース 5,489円 インナーカットソー 2,530円 レースカーディガン 4,389円 かごバッグ 5,489円/すべてindex
    フェイクパール×チェーンピアス 1,650円 パールブレスレット 2,189円 アンクルストラップサンダル 5,489円/すべてOPAQUE.CLIP(index)


    ■撮影協力:『GARB CENTRAL』「東京ガーデンテラス紀尾井町」

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