静寂に包まれる白金の路地裏は美食の宝庫だった!大人に相応しい上質な隠れ家3選

名店の跡地というハードルをものともしない次世代フレンチ『broc 長谷川稔Lab』

ガソリンスタンド脇を入ってすぐの路地にこぼれる灯りが、上質な空間を想像させる


斬新な発想と精妙な味わいで、2年先まで予約が埋まる『長谷川稔』には、白金に“ラボ”を掲げたセカンドラインの隠れ家がある。

プラチナ通り中腹にある路地裏で目を引く、ガラス張りの瀟酒な佇まい。

そこでは毎夜、美食研究の成果を披露する唯一無二のフレンチが振る舞われているのだ。

漆黒の店内はラグジュアリーな内装にテーブルをゆったりとレイアウト


『カンテサンス』『ティルプス』といった名店がフレンチの可能性に挑んできた白金の“あそこ”と聞けば、食通ならピンと来るのかもしれない。

そんなハードルの高い場所に店舗を構える『broc 長谷川稔Lab』も同じく、先鋭的であることに貪欲だ。

シェフを務める柏木暢介さんは浅草『オマージュ』を始め、フレンチひと筋に歩んできた実力派。

繊細な火入れを始めとするテクニックを継承し、そこに自分の経験も積み上げてフレンチの枠を超えた次世代の美味しさを追求している。

メインが2回登場するという、圧巻のおまかせコース(23,000円)とは?

海の旨みをこれでもかと詰め込んだ、お茶漬け風リゾット!

リゾットながら、前菜的な位置付けで供される


「小田原産黒鮑の抹茶リゾット」はお茶漬けがイメージ。

鰹出汁とアワビの蒸し汁でリゾットを炊き、鮑の肝ソースを塩辛代わりに。

さらにスッポンの出汁をきかせた松の葉昆布を散らして仕上げに抹茶パウダーで飾っている。

一見まとまりを欠くような食材の組み合わせだが、不思議なくらいバランスが取れている。

『長谷川稔』が誇る唯一無二のシグネチャーディッシュを継承!

最後に炭火で香ばしさを加えているのもポイント


1周目のメインで登場するのが本家のスペシャリテとしてもお馴染みの「近江牛のすき焼き」。

表面をローストしたランプ肉を一晩割下に漬け込み、緻密な低温調理でじっくりと火入れしていく。

驚くほど柔らかい肉は、噛みしめるたびに旨みが口中にあふれ出る。

千住ネギの焼き浸しのほか、蒸す・煮る・揚げるなど野菜にも多様な調理法が駆使される。

芸術的で可愛らしい見た目も印象的


「毛蟹のサラダ」は、生クリームやマヨネーズ、シブレットと和えた蟹の身をボール状に成型。

食感と味わいのアクセントになるよう周囲にカラスミ、辛味大根、トリュフなどを散りばめた。

「オセトラキャビア」のやさしい塩味で上品に味付け


「キャビアの冷製パスタ」の平打ちパスタはハマグリ出汁で調味。

ツルッと滑らかな喉越しに、ブロッコリーの花で立体感をプラスしている。

小粒のキャビアを添えたのは一体感を演出するためのアイデアだ。

古典を踏まえた王道メニューもしっかり押さえる!

胸肉の中に潜んだフォアグラが、味に妖艶さを加える


フレンチの型にとらわれない料理が続いた後の2周目のメインを飾るのは「ラカン産仔鳩のロースト」。

トリュフ入りのクラシックなソースを添えた、フレンチの伝統的な料理である。

皮目を香ばしく焼き上げた胸肉は、臭みを感じさせずジューシーな味わい。最後にはフレンチの醍醐味も堪能できるのだ。


緩急をつけ、めくるめく食の旅へと誘う流れは、通常のコースなら2回分は食べたような充実ぶり。

初見の料理が最後まで続く高揚感は圧巻で、もはやセカンドラインとは呼べないほどの完成度の高さを実感する。

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