オンラインで、キラキラした私生活を垣間見せる女たち。
豪華なインテリアや、恋人との親密な関係性、メイクや服装。
だけど画面越しに見せている姿は、本当の自分とかけ離れているのだ。
―オフラインの私なんて、誰にも教えられない。教えたくない。
リモートで働く女子たちのPC画面の裏側には、まさかの世界が広がっていて…?
「オフラインな私」一挙に全話おさらい!
第1話:“勝ち組な新妻”自慢が止められない女。彼女を襲った、非情な現実
「料理が好きだから、キッチンが広くて気に入ってるんです。あ、そうそう。最近、おうちご飯を投稿するためにInstagramを始めたんですよ!良かったらフォローしてくださいね」
そう言って、彼女はスマホの画面をカメラに映す。その笑みは、まさに“幸せ”を体現したものだ。
「見てみますね。ありがとうございます!」
さっそくInstagramの検索画面を開き、みずきのアカウントを探し出した。投稿されている色とりどりの料理は見た目も美しく、手が込んでいるのがわかる。留依は、さらにその中の投稿を数枚タップしてみた。すると…。
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第2話:結婚を前提に付き合いたいと思ってたのに。タクシーに乗り込んだ瞬間、女が“ナシ判定”を出したワケ
梨沙は元々、加奈子が在籍していた表参道の有名サロンに通っていた。しかし彼女が独立開業したため、最近はこちらの店舗に来ているのだ。
彼女は誰が見ても美人で、男にも困っていないように見える。しかしオイルを手に取り施術を始めたとき、不意にポツリとつぶやいた。
「そろそろ、いい出会いがあればなとは思ってるんだけどね…」
―こういう仕事だと、意外と出会いが少ないのかな。
そんなことをぼんやりと思っていた梨沙は、ふいにあることを思いつき、口を開いた。
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第3話:同棲中の彼氏がいるのに…。リモートワーク中に始まった禁断の関係に、翻弄された女の末路
今の時代“結婚=幸せ”という価値観は昔ほど強くないが、楓は“ひとり“が幸せとは到底思えない。
今日だって、ひとりきりの家で1日中仕事をするのが嫌だから、こうして人の気配を感じたくてコワーキングスペースに来ているのだ。
斜め向かいで明るく笑っている女と自分では、何が違うのだろうか?早くも“結婚”というゴールにたどり着けそうな留依を見ていると、羨ましくてたまらない気持ちになってくる。
―幸せになれる女と、なれない女の違いってなんなのよ。
留依の声がどうしても耳障りに感じてしまい、一瞬だけ彼女を睨み付けると、そっと席を離れた。
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第4話:綺麗になっていく快感を止めることができない。自粛期間中、美容整形にハマった女が招いた悲劇
遥香はこのPR会社に新卒から勤めて10年。今年から晴れてマネージャーに昇進した。慣れない管理職業務に翻弄されつつも、充実した日々を送っている。
たった今、来月から新しく自分の部署に異動してくる笹沼梨沙と、挨拶がてらオンラインミーティングをしていたところだ。
―美人で感じのいい子だし、取引先からも気に入られそう。うちの部署で上手くいくといいなあ。
ただひとつだけ、気になっていることがある。それは引き継ぎ元での、彼女の評判だった。率直に言うと、梨沙は前の部署をクビになり、たらい回しのような形で異動させられることになったのだ。
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第5話:妊活を諦めた30代夫婦。子どもの代わりに“あるモノ”を手に入れた2人の仲は、次第に…
―いいなあ。旦那さんも高収入だって聞いたし、きっと何でも欲しいものが手に入るんだろうな。
新卒2年目の秋絵にとって、遥香は初めての上司。キャリアも、女性としての幸せも手に入れている彼女のようになることが、今のところの目標なのである。
―いつか私も、こんな風になりたい。
そう思っていたが、実は彼女が“幸せいっぱい”ではないことを、この時の秋絵は知らなかったのだった。
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第6話:30歳目前、結婚ラッシュの波に乗り遅れた女。友人との再会で見たくなかったモノを発見してしまい…
―楓はいいなあ。独身で自由の身だから、自分の好きなものを食べて、オシャレな生活ができて…。
そんな彼女のプロフィールをタップし、過去の投稿をさかのぼってみる。そこに並べられていたのは、最近話題になった店のランチメニューや趣味のビオワイン。それにオシャレなアンティーク調のインテリア。
―住んでる部屋も素敵だなあ。うちのインテリアも参考にしたいくらい。
フォロワー数5,000人ほどを抱える楓は、学生の時からセンスが良く、憧れの存在だったのだ。
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第7話:家庭もキャリアも手に入れたはずの美人ワーママ。彼女がどうしても我慢できなかった、ある夜の出来事
「今くらいの年齢って、キャリアも積んでいきたいけど、子どもとの時間も大切にしたいし。これで良いのかなって悩むよね~」
「すごい分かる。ちょうど分岐点にいるよね、私たち」
私たち。そう彼女に括られた人々は特権階級なんだろうな、と加奈子は思う。…もっとも、自分には子どももいないし、結婚すらしていないのだが。
最近始めた、招待制の音声SNS『Clubhouse』。その中の“30代ワーママ集合!仕事と子育てのあれこれを話そう”というトークルームの会話を、自宅でこっそり聞いていたのだ。
そのルームでスピーカーとして話をしていたのは、前職の化粧品会社の先輩・智佳子だった。
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第8話:「彼氏の部屋を掃除していたら、机の下に…」家政婦扱いを受ける女が、見てしまったモノとは
「私の彼氏、家事が全然できないんですよ~。最近は私が家に行ってご飯作ったり、掃除してあげてるんです」
「え~!『ちょっとは自分でやってよ』って言わないの?」
梨沙がそう言うとニコッと笑い、恥じらうこともなくこう答えた。
「まあ私は料理が好きだし、美味しいって言ってくれるからいいんです」
―結局、ノロケかい!
そこまで恋人に夢中になれるなんて、正直羨ましい。なぜなら梨沙は、気づけば1年ほど恋愛から遠ざかっているのだ。
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