2021.01.25
愛して、もう一度だけ。 Vol.1失恋から3日目 やっぱり彼が好き…
「樹里がそんなに彼を好きだったとはね~」
失恋して3日目の土曜日。
上智大学時代の同級生で近所に住む百花に、代官山のブックカフェに呼び出された。
失意のどん底に沈んでいた私を見るに見かねたらしく、無理やり外に連れ出されたのだが…。ここは、よく友之とも一緒に訪れていた場所で、到着するなり余計に落ち込んでしまった。
「樹里は可愛いし、モテるんだから。すぐに新しい彼氏みつかるよ!次いこ、次」
「うん……」
男がいくらでもいることは、私も頭ではよく分かっている。でも、心が全く新しい出会いを求めていない。
それに、今まで私は、男を“選ぶ側”で、いつも別れを切り出すのは自分からだった。それなのに、なぜ今回だけ彼から別れを告げられたのかも納得がいっていない。
そう…、私の中で友之との恋愛は、まだ終わってないのだ。
そんなことを悶々と考えていたとき、百花がこんなことを言ってきた。
「もしさ、新しい彼氏を見つける気がないなら、やっぱり彼を諦めちゃダメ。あらゆる手を尽くして、ヨリを戻すことを考えてみたら…?」
「それって復縁するってこと…?」
「うん、私の友達で、復縁から結婚した子とかいるよ。無理じゃないって」
「復縁から、結婚…?」
彼女の言葉は、私にとって衝撃的だった。別れたらそこで終わりだと思っていただけに、その先に結婚の可能性があるなんて想像もしていなかった。
「雨降って地固まるってやつ?すっごく幸せに暮らしてるよ」
百花に促され、私はおもむろにスマホを手に取り、『元彼 復縁』と検索をかける。
すると、想像以上に“復縁”を目指し奮闘している男女がいることがわかった。
しかも、復縁ってモテない惨めな女がするものだと思っていたが、そんなこともないようだ。
ーその気になれば、私にも、まだやり直すチャンスあるってことだよね。
急に興味が出てきて、“復縁”に関するページをいくつかクリックして読んでみた。どのページにも必ず書かれていたのは、別れた後の“冷却期間”が必要だということ。
冷却期間とは、元恋人と一切の連絡を絶つ期間のことらしい。
この冷却期間中にお互いの気持ちがリセットされ、相手に対するマイナスイメージが払拭されるそうだ。一般的に、3ヵ月ほど連絡を取らないのが適切だという。
「3ヵ月も、連絡取っちゃダメなのか…」
できれば今すぐに別れの理由をちゃんと聞きたいし、悪いところがあったなら全力で謝りたい。そして彼を力いっぱい抱きしめたい。
「3ヵ月って長いなぁ…」
私がスマホ片手に呆然としていると、百花が「あっ」と小さく声を上げた。
「そういえばさ、樹里、来週誕生日じゃん。その日までとりあえず待ってみたら?」
「え……?」
「いくら元カノとはいえ、誕生日くらい向こうから連絡くれるでしょ。それまではこっちから何も連絡しないようにするの。意外と彼のほうから“ヨリ戻そう~”って言ってくるかもよ?」
彼女は、名案を思い付いたかのようなドヤ顔をしている。
「そうだよね……。友之なら連絡くれるよね」
確かに、1週間くらいは連絡を我慢することはできそうだ。それに、百花の言う通り、優しい彼のことだからお祝いのLINEくらいはくれるだろう。
その時までに、彼と話したいことをまとめておけばいい。
「それに、今日、百花と話してわかった。私やっぱり、友之のこと諦められない。だから、彼の気持ちを取り戻すためだったら、なんだってすることにした」
失恋3日目。
私は、彼と過ごす幸せな未来のため、まずは1週間の冷却期間を置くことを決意した。
しかし、この『誕生日の連絡待ち』が、のちに私をさらに苦しめることになるのだった……。
▶他にも:「嘘でしょ!?」甘い夜を過ごすはずが…。ホテルの一室で、27歳女が男から告げられた驚愕の事実
▶Next:2月1日 月曜更新予定
元恋人の連絡を、自分の誕生日まで待つことにした樹里。しかし、気持ちは毎日揺れまくり…?
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