それは、先週のこと。
オフィスに行くと久しぶりに会った後輩が、嬉しそうに近づいてきた。しかし笑顔は一変、怪訝な表情になる。
「あれ?奈美さん、なんか…。疲れてます!?」
「ええ!?本当…?」
思わず頬をおさえる。薄々、自分でも気が付いていた。会社がリモートワークやフレックスになると同時に、一人暮らしの奈美の生活リズムは少しずつ不規則になっていた。
家にいる時間も増えると、どうしても食べすぎたり、適当なもので済ませたりしていたし、ジムも退会してしまったため運動不足が続いていた。
でも人に指摘されると…相当なショック。奈美は泣きそうになりながら、メイクポーチを掴んで化粧室に駆け込んだのだった。
姉がくれた思いがけない“キッカケ”
「そんなわけで…私、彼氏ができないのってこのご時世だからって言い訳してたけど…もしかして自分に原因があるんじゃないかなって。私、どうしたらいいの、お姉ちゃん!」
土曜の昼下がり。仲良しの姉・由香が、奈美の相談LINEを見て、美味しいケーキを片手に遊びにきてくれた。
温かい部屋でジンジャーティーを飲みながら、素直にくすぶっていた悩みを打ち明けると、次第に肩の力が抜けていくような気持ちがした。
同時に、思ったよりも、この急激な変化に適応するために一人で頑張っていたんだなと思い知る。由香は優しい笑顔で、うんうんと話を聞いてくれた。
「…ん?お姉ちゃんのバッグに入っている、その赤色の飲み物なに?」
一通り話し、お茶を淹れなおそうとしたとき、ふと由香のバッグから見えたペットボトルが気になって尋ねる。
「あ、これ?アセロラのドリンク。最近はまってるの!」
「へえ~、キレイな色だね。美味しいの?」
由香はバッグからペットボトルを取り出し、奈美に渡してくれた。
「味もスッキリして美味しいし、ビタミンCをとるとこの時期、風邪予防にもなるのよ。生活リズムを崩してる奈美にはぴったりかも。飲んでみたらどう?」
由香の話によると、アセロラはレモンの約34倍のビタミンCとたっぷりのポリフェノールを含むスーパーフードなのだそうだ。
体に良さそうとは思っていたが、ここまでビタミンCが含まれているとは知らなかった。
「もしかしたらビタミンCの美肌効果で彼氏できちゃうかもよ!」
「余計なお世話なんですけど!」
でも、こうして自分のことを心配してくれる家族っていいなとしみじみ思う。そして自分もそんな家族を作りたいと、奈美はもらったアセロラのドリンクを手にしながら考えていた。
―婚活を成功させるためにも…。まずは、体のメンテナンスからよね。
翌日、由香から届いたアセロラのドリンク1ケースと、LINEのメッセージ。
『不規則な生活を見直してね!』
由香は一児の母だから、口にするものを大切にしている。毎日を丁寧に生きているその姿勢に触れ、奈美も背筋が伸びるような気持ちになった。
それから奈美は、毎朝アセロラのドリンクを飲むことにした。そのすっきりとした甘酸っぱい味わいでなんだか目覚めもよい。
こうなってくると良いサイクルが始まって、運動不足解消のために朝のランニングも始めた。
「奈美!アセロラのドリンク、こんなアレンジもあるよ」と由香から送られてきたレシピを見ると、簡単にアレンジすることもできるようだ。
お風呂あがりのリラックスタイムに、スパークリングワインをアセロラのドリンクで割って飲んでみると、これがびっくりするほど美味しい。
―最近、なんだか肌の調子がよくなってる気がする。それに、いつもだったらこの時期は風邪をひくのに、今のところなんともない!
そんなふうに、奈美の日々は少しずつ上向いてきた。そんなときに懐かしい仲間から、意外なお誘いが舞い込んだのだ。