私、やっぱり結婚がしたい Vol.1

私、やっぱり結婚がしたい:しぶっていた女が2回目のデートを思わず快諾した、男の誘い文句

コロナ禍で、先行き不安な社会情勢。それは私たちの結婚観にも確かに影響を与えた。

孤独や不安感から「結婚したい!」という気持ちが増す女たちと、「もっと安定してからじゃないと...」と慎重になりがちな男たち。

明らかにこれまでとは様子が変わった、婚活市場。

商社勤務の美波日奈子・32歳は、そこそこ綺麗でそれなりにモテてきた、普通よりちょっとイイ女。ところがコロナ禍での彼氏との別れをきっかけに、婚活を始めることに…。

令和の東京におけるリアルな婚活事情を、ご覧あれ。


「日奈子さん、こんなに綺麗なのにどうして彼氏いないんですか?」

ーえ?

自己紹介もそこそこに、相手の男性にそう尋ねられ、焼き鳥を食べる手が思わず止まった。

私は、専門商社で一般職をしている、美波日奈子。

年齢は32歳。お肌の曲がり角はとっくにすぎ、今じゃ、会社の健康診断に引っかからないか緊張してしまう年頃。

容姿レベルは恐らく平均よりちょっと上。だからそれなりにモテてきた。恋愛経験も人並みにあるし、これまでは特に苦労せずに、彼氏もできていた。

しかし、私は今、始めたばかりのマッチングアプリで婚活の真っ最中だ。

今日の相手は、佐藤康平。 37歳で IT広告代理店の役員。バツイチだが、確か...子どもはいない。

臭みのないトロリとしたレバーの串を味わいながら、頭の中で、アプリで見たプロフィールを思い返す。

ー出会いがないから、こうやってマッチングアプリで相手を探してるんですけど。

心の声が咄嗟に出てしまわぬよう、必死に笑顔を作る。

「あはは。どうしてでしょうね〜?」

神楽坂の焼き鳥屋『YAKITORI 葵』で繰り広げられる、男女のやり取り。

彼氏がいた頃は、こういう"初めまして"の二人を見ると、「アプリの初アポかな。まぁがんばれ〜」なんて意地悪く、高みの見物をしていた。

まさか、自分がそっち側になる日が来るとは。人生、何があるかわからない。

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