いつだって、どこだって Vol.1

いつだって、どこだって:「一夜限りでもいい…」出会ったその日に、女が商社マンの甘い誘惑に乗ってしまったワケ

運命の人とは、いつだって、どこだって出逢う可能性がある。

恋の舞台は、東京だけじゃない。

思いがけず、旅先で恋に落ちてしまうことだって、あるかもしれない……。

とっておきの恋と旅の思い出は、何年経っても色褪せず、その人の心を彩り続ける。

これは“旅”を通じて、新しい恋に出会った女達の4話完結ショートストーリー。

1話~4話の舞台は、バンコク。


美容院に行った後は、少しだけ寄り道をしたくなる。

GINAZA SIX内にある行きつけのサロンで、しばらく頑張って伸ばしていたロングヘアをばっさり鎖骨の辺りまで切り揃えたばかりの英莉(28)は、エスカレーターを上り、6階の蔦屋書店まで足を伸ばすことにした。

トリートメントを施したての艶やかなマロンカラーの髪、サラサラの指通り。

サロン帰りのウキウキ気分を味わいながら店内に足を踏み入れた途端、「旅」の本がずらりと並ぶ一角で思わず足が止まる。

―旅行かぁ。本当だったら、今年の夏はパリに行く予定だったのに…行けなかったなぁ。

「あれ、もしかして英莉ちゃん?」

心の中でボヤいたタイミングで、後ろから自分の名前を呼ぶ声がした。びっくりして、思わず肩をビクッと揺らしてしまう。

「やっぱり!久しぶり。俺のこと覚えてる?」

振り向いてしばらく、瞬きすることも忘れてその場でフリーズしてしまった。そんな英莉を見て、“彼”はクスッと笑みをこぼす。

「も、もちろん…覚えてるよ」

その瞬間、3年前のバンコク旅行の想い出が、走馬灯のように英莉の脳内を駆け巡ったのだった。

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