スパイシー・デイズ Vol.9

31歳、独身、実家暮らし。“独身コンプレックス”に苛まれる女の嘆き

スパイシーデイズ。

それは、自分を見失うほどの恋に苦しんだ日や、
仕事のミスが悔しくて涙を流した夜、
もう来ないとわかっているはずなのに返事を待つ、あの瞬間。

ほろ苦いように感じるけれど、
スパイスのように人生の味つけをしてくれる。

前回は彼の日常に干渉をしすぎたオカン系女子を紹介した。

今回紹介する彼女が過ごすのは、どんなスパイシーデイズ...?


土曜日の朝、美咲はベッドに寝転がりながら、無心で携帯の画面をスクロールし続けていた。

目が覚めてから、もう30-40分は経ったのだろうか。

Twitterを開き、寝ている間に投稿されていたツイートを流れるように確認する。タイムライン上には子猫の動画や、コスメの画像がいつものように並んでいる。

慣れた手つきでスイスイと携帯をスクロールしていた美咲は、一つのツイートを視界に捉えた途端に指を止めた。

-私が今まで出会った人の中で、30歳過ぎて結婚してない人にはみんな何かしら問題がある。若くして結婚した人の方がよっぽどまとも-

そう書かれたツイートには多くの共感や非難のリプライがついていた。食い入るようにリプライ欄を見ていた美咲だったが、沸々と湧き上がってくる苛立ちを抑えきれず、そのままツイートボタンを押した。

“マリナ@バリキャリ商社女子:朝から不快なツイート見かけて最悪。30歳過ぎて独身ですが何か?”

自分とは違う名前で、本音を吐き出すことのできるTwitterの裏アカウントは、美咲にとって、唯一とも言える苛立ちのはけ口だった。

裏アカウントでのツイートを済ませると、枕元に携帯を放り投げ、美咲は大きなため息を吐きながら天井を見つめた。

-結婚、したいに決まってるじゃん。

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