フレネミーな2人 Vol.9

「マンション、解約しよう」その言葉に、同居中のライバルアナがニッコリ笑ったワケ

採用倍率1,000倍と言われる、狭き門を突破したテレビ局のアナウンサー。

そこは華やかに見えて熾烈な世界。

彼女たちは知的で愛くるしい笑顔の裏に、他人へは見せられない顔を隠し持っているのだ。

そんな、知られざる女子アナの裏側とは…?

◆これまでのあらすじ

2人の特別番組『かんののルーム』の収録は大荒れ。悔しさから、カメラの前で黙り込んでしまったエリサは…?


2019年8月 神田エリサ「あんな情けない姿、見せられない」


ー収録中に不機嫌になるとか、印象悪すぎだよね。

楽屋に戻り冷静になったエリサは、着ていた衣装を脱ぎ捨てる。コウから貰った靴も、もう宝物ではなくなっていた。

さきほどの収録での葵の発言が、エリサの胸に太いトゲとなって刺さっている。

『アパレルの社長が女子アナに近付くのなんて、広告塔にされているに過ぎないから』

―私も、インフルエンサーとして当てにされてただけか…。全く気付かなかった。

エリサは楽屋のソファに腰を沈めて、『かんののルーム』のプロデューサーの電話番号を探した。

プルルルルー

「おー、神田ちゃん?さっきはお疲れさま」

「あの、その話なんですが…。いろいろ、私のせいだって分かってるんです。だけど私が不機嫌になったシーンだけは、カットしてもらえませんか?」

プロデューサーは、何の言葉も返してくれない。焦ったエリサはソファから立ち上がり、悲痛な面持ちで叫ぶように懇願した。

「私、なんでもします!あんな情けない姿が流れたら、やっていけません」

「…まあ、考えとくよ~」

少しの間があってから、プロデューサーは半笑いでそう言い放つ。エリサはその場で、唇を噛みしめることしかできなかった。

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