恋のやめどき Vol.7

「え、俺の服捨てたの?」勝手に洋服を捨てた彼女を、男が許せたワケとは

「この恋は、やめるべきでしょうか」

誰だって、きっと考えたことがあるはず。

彼が嘘をついていると気づいたのに、
彼女が浮気していると知っているのに、
一緒にいてつまらないと、お互いにわかっているのに、
それでも見えない、この恋のやめどき。

あなたは、この恋、どう思いますか?

前回は東京に憧れを抱いた男の、背伸びをしすぎた恋を紹介した。今回は...?


自分を捨てた恋をした。



土曜日の昼下がり。暖かな風に吹かれて、わずかに残る桜が空に舞っていた。圭太はスーパーの袋を両手に持ち、信号で立ち止まると、大きく深呼吸をした。

帰ったらコーヒーでも淹れて、夏海と一緒に飲もう。そう思いながら、弾むような足取りで家に向かった。

「ただいま!」

圭太は玄関で靴を脱ぎながらリビングを覗き込むが、夏海が見当たらない。床に置いたレジ袋を拾い上げ廊下を進むと、寝室から夏海が顔を出す。

「おかえり〜お買い物ありがとう」

「今日の夜ご飯、ちょうどふるさと納税で届いたお肉があるから、しゃぶしゃぶにしよう!」

わーい、と手を上げて喜ぶ夏海を、圭太は嬉しそうに見つめる。交際してすぐに圭太が関西支社に配属された後、2年間の遠距離を耐え凌いで叶えた同棲。

27歳、結婚を前提にした同棲。夢のような生活に、なるはずだった。

「そういえば、圭太の服、整理しておいたよ」

笑顔で話す夏海の後ろに目をやると、中身がいっぱいに詰められた大量のゴミ袋と数着の服が床にバラまかれている。

「え、俺の服捨てるの?」

「だってこんなダメージジーンズ履いてる人、いまどきいないよ?トップスもシャツもダサいのばっかりだったから捨てようと思って」

夏海の言葉に、圭太は呆然と立ち尽くし、半開きにした口を開けたまま頷くことが精一杯だった。

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