恋愛依存症 Vol.2

男性陣が一斉に狙う、最強の31歳・モテ女。だけど彼女が誰にも言えない、本当の姿とは

童顔で可愛いルックスと、明るく物怖じしないキャラクター。男を振り回す天性のあざとさから、寄ってくる男はよりどりみどり。

ただし、それも交際前までー。

付き合う前はモテるのに、交際期間は最長3ヶ月。恋愛が全く続かない女。31歳の絵麻(えま)も、そんなうちの一人だ。

なぜなら彼女は、いわゆる「恋愛依存症」の女。重すぎて、いつも男に逃げられてしまう彼女が、幸せを掴む方法とは?

◆これまでのあらすじ

交際相手に依存し、恋愛に重きを置きすぎている絵麻。彼氏である倫也の家に内緒で上がりこむと、前の彼女と未だに会っていることが判明。不満をぶつけるが、追い出されてしまい…


「はぁぁぁ…」

思わず声に出してため息を漏らしてしまい、私は慌ててオフィスを見回した。

周りに聞こえたかと焦ったが、皆自分の仕事に精一杯のようだ。こちらに気づくどころか、声をかけるなというオーラさえ感じる。

デスクの上で充電しているスマホの画面には、さっきから不必要な通知ばかりが表示され、一番欲しいメッセージは一向に届かない。

あれから1週間。恋人の倫也には何十回も連絡をしているというのに、完全に音信不通だ。

『彼氏 音信不通 なぜ 復縁するには 男性心理』

午前中の打ち合わせがクライアント都合でリスケになったため、さっきからこのような検索ワードを調べては、誰かが書いた気休めにもならないネット記事を読み漁っている。

だけど、どれも書いてあることは似たり寄ったりだ。「こちらから連絡しないのが一番」らしい。

しかしそれでは、このままフェードアウトされても仕方ない、と言っているようなもの。

「三上さん、お疲れ様です!」

いきなり斜め後ろから声を掛けられ、慌ててChromeを閉じる。そこにいたのは、同じクライアントを担当している営業の橋田守だった。

私の勤めるインターネット通販会社では、マーケターと営業がチームを組んで仕事をする。私は中途で入社したが、今はこの入社3年目の橋田と一緒に、健康食品や美容商材を主に担当している。

「どうしたの?打ち合わせ、来週に変更になったよね」

「はい。えっとそうじゃなくて、すごく急なんですけど、今週の土曜日空いてます?営業とマーケの若手で毎年“芋煮会”をやっていて。二子玉川の河川敷でやるんですけど、来られませんかね?」

「…芋煮会?」

この記事へのコメント

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No Name
話の主軸にはそんなに惹かれないけど細かい描写はわりと好き、chrome閉じたとか。笑
2020/03/07 05:1966返信11件
No Name
知らない男2人と自分1人って、絶対行かないなぁ
2020/03/07 06:4344返信4件
No Name
彼女は、恋人が好きじゃなくて自分に自信がなくて依存してるだけに見えた。
2020/03/07 06:0230
もっと見る ( 76 件 )

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