「女の嫉妬って怖い」金融機関からアパレルへ転職し、スピード出世した女の本音

女の嫉妬は怖かった・・・


景子は現在、マーチャンダイザーと呼ばれる仕事をしている。

商品開発やプロモーション、販売計画や予算の管理など、商品計画全体に関わる業務内容で、店舗との連携も求められる。

つい先日、数字だけでは見えてこない現場の声をヒアリングするため、久々に元いた新宿店に顔を出したそうだ。

「私はみんなに久々に会えることが嬉しくてウキウキして店に行ったんですけど、店のスタッフたちがすごく冷たかったんです。露骨に嫌な態度をとるわけじゃないけど、お店が混んでいて忙しいわけでもないのに、どこか素っ気なくて…」

店舗でアルバイトとして働いていた頃は、お客さんがいない時や休憩時間にみんなで雑談をしたり、休みの日は一緒にお買い物いくこともしていたはずだった。

しかし、思い返すと景子の立場が上にいくにつれ忙しくなっていったこともあり、プライベートで会うことはおろか、連絡もほとんど取らなくなっていたとのこと。

「久々にね、“今週の土日ランチでもどう?“って、一番仲の良かったスタッフの子に連絡してみたら、”本社の社員さまとは違って販売員は土日休みとるの難しいから“って一蹴されちゃったんです。

確かにそうなんですよね、私も無神経だったなって反省したんですけど、言い方に棘がある感じにすごいイラッとしちゃったし、そんな態度をとられたことが悲しくて…」

本社での仕事に憧れる販売員は少なくない。

聞くに、その彼女も本社での仕事に憧れ、はや5年以上販売員として働き続けているという。

そんな中で、とんとん拍子で本社の仕事に就くことができた景子は、憧れの対象である一方で、嫉妬の対象ともなってしまったようだ。

「しかも、私が本社に行けたのは部長に色目を使ったからだとか根も葉もない噂が店舗では流れていて…。

私の場合、ちょうどポストに空きが出て異動できたので、かなり運がよかった部分もあるんです。それに、本社勤務のために仕事は人一倍頑張ったし、ことあるごとに異動希望の意思表示をしていたんです。みんなも本社で働きたいなら、目標のために努力すればいいのにって思うこともあります」

景子は、昔は和気藹々と一緒に働いていた仲間たちと疎遠になってしまったことに寂しさを感じただけでなく、そんな仲間たちの仕事に対する姿勢にも疑問を覚えてしまったそうだ。

「まあ、でもいいんです。今は東京に気の合う仲間が出来たんで!彼女たちと仕事の話したり、ご飯を食べに行ったりするのが、今は楽しいんので大丈夫です」

そう言って、再び笑顔を取り戻した景子は、今の仕事の難しさや楽しさを語り始めた。

すっかり関西弁のイントネーションで語る彼女は生き生きとした顔をしている。

周囲を取り巻く環境や付き合う人間が変わったのは、自分が成長した証なのかもしれない。

景子には、生まれながらのポジティブ思考と大阪人気質で、前を向き続けて欲しいと思った。


▶Next:1月1日 水曜更新予定
悟り世代でもがむしゃらに仕事を頑張った男に待ち受けていた、想定外の出来事とは?

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo