「女の嫉妬って怖い」金融機関からアパレルへ転職し、スピード出世した女の本音

金融業界からアパレル業界へ、異例の出世コースを歩むことに

景子はもともとお洒落が大好きな女の子で、ファッション業界に興味を持っていた。

「服飾系の専門学校に通いたかったんですけど、両親に反対されて、結局地元の大学へ進学しました」

卒業後は関西エリアを中心に展開する金融機関で事務員として働き始めた。

「就活でアパレルの会社も受けたんですけど、正社員としてはどこからも採用してもらえなくて。結局、金融機関で働くことになりました。両親はとても喜んでいましたけどね」

そして景子は27歳のときに結婚。

相手は大手IT系企業に勤めているサラリーマンで、転勤で大阪に来ていた時に友達の紹介で出会った。

その2年後には、夫が東京本社に戻ることになり、景子は会社を辞め上京することになったのだ。

「夫の転勤をきっかけに、せっかく東京に来たのだからと、昔から興味があったアパレルで働きたいって思って仕事を探しました。そしたら、運良く女性向けブランドのアルバイトスタッフとして採用されました」

新宿の有名百貨店で働くことになり、意気込んでいたそう。

「当初は、関西弁全開で接客していたので、お客さんに怖がられちゃって…。でも、スタッフの子たちが東京弁のイントネーションとか語尾を教えてくれて。少しずつ東京人に対しての接客にも慣れていきました」

そして、彼女の関西人ならではの商売人気質や根っからの明るい性格、すっと懐に入り込むコミュニケーション能力が大いに役立ち、徐々に売り上げを伸ばしていった。

「もともと、人と話すこともファッションも大好きなので、仕事がどんどん楽しくなってきましたね！もっと上を目指したいって、向上心が芽生えてきちゃったんです。

しかもね、店舗で働くスタッフたちともめっちゃ仲良くなって、東京でも自分の居場所ができたことがほんまに嬉しかったんです！！」

数年前の出来事を楽しかった思い出として、熱量たっぷりに語ってくれた。

どうやら興奮すると、ところどころに関西弁が出てしまうようだ。

念願かなって好きなことを仕事にすることができた景子は、水を得た魚のごとく、めきめきと頭角を現し、店舗でトップセールスを何か月もキープし続け、1年後正社員へと昇格した。

彼女の快進撃はとどまることを知らなかった。

正社員になってからも、的確な売上改善案を出したり、教育担当を自ら名乗り出たりと、そのやる気と能力は高く評価された。

その結果、なんと2年後には、本社勤務の辞令を言い渡されたのである。

「自分が好きだと思っていた仕事で成果を出せて、それを評価してもらえたことは本当に嬉しかったんです！でも…」

そう言って、表情を一転させた景子は、ここ最近で感じているという憂鬱について語り始めた。