特別なひと皿がある店 Vol.2

黄金色に輝くクリスピーチキン!歯切れよく揚がった薄い皮としっとりした肉に感動する

※こちらの店舗は、現在閉店しております。

本能を刺激する無性に食べたくなるひと皿というものがある。そんな名物を提供するお店はたいてい繁華街には無く、少し行きづらい場所にあるものだ。

2019年もノーマークだったエリア、住宅街の一角に、人知れずオープンしている。しかも、利便性の悪さを物ともせず、もうすでに話題なのだとか。

特別なひと皿を提供する店にわざわざ行くのも一興だ。

店のスペシャリテ「クリスピーチキン」¥9,500。パリッと薄い皮の下には旨味のある脂をたっぷりと湛えているのに、ペロリと平らげられる軽やかさ!要予約


今、東京でもっとも“香港の味”を体験できるチャイニーズはここ
『SOUTH LAB 南方』

艷やかな黄金色の鶏がテーブルに運ばれてくると、皆が競うように手を伸ばし黙々と肉片にかぶりつく。2019年6月に錦糸町にオープンした『SOUTH LAB 南方』では、もはや当たり前の光景だ。

長年、香港の食事情を取材し続けてきた写真家・菊地和男さんがプロデュース。

クリスピーチキンを揚げ始めると、シェフのトミーさんは鍋の前につきっきりになる。左手から吊るした丸鶏に、右手に持ったおたまでひっきりなしに白絞油をかけ続けなければならないからだ。油は50℃前後からスタートして徐々に温度を上げていく。「温度のコントロールが仕上がりを決める」と、トミーさん。油の爆ぜる音や揚げ色の変化を見極めて仕上げる


厨房に立つシェフは『銀座 福臨門』で腕を振るったトミーさん。そんな最強のタッグが、香港を中心とした中国料理をベースに、タイ・ベトナムなど南方のエッセンスを感じさせてくれる。

必ず食したい「クリスピーチキン」は、広東語表記では「脆皮炸子鶏」。

鶏は、表面に酢と水飴を混ぜ合わせたものをまんべんなく塗り、お腹の中には塩を詰めて最低4~5時間乾かす。両脇にダンボール片が挟まれているのは、細部まできっちり乾燥させるための工夫。下ごしらえの段階でのこうした細やかさが、後に揚げた際のムラのない美しい色合いへと繋がるのだ


〝脆い皮〞の名の通り歯切れよく揚がった薄い皮と、対照的にしっとりとした肉、そしてその間にある黄色い脂の旨味が織りなす三重奏が、食べる者を虜にする。

放し飼いで育てられる「龍崗鶏(ロンコンカイ)」という雌の若鶏でなくては出せない味わいだ。

ウッドとコンクリートで構成された装飾のないシンプルな空間。そう、この店の主役は“旨い料理”なのだ。さらに、そんな料理に合わせてソムリエールがベストなワインを選んでくれる


これを、錦糸町に遠征するだけで気軽に味わえる幸福を噛み締めたい。

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