老舗が立ち並ぶ麻布十番商店街。
メイン通りから少し外れたビルの地下は、この時期、静かな高揚感に満ちている。
食通の大人たちが集う、その理由はカニだ。
カニ一杯を丸ごと味わえて、さらにたっぷりカニといくらがのった炊き込みご飯まで…
そんな話題の店『かなざわ』の魅力を存分にお伝えしよう。
誰にも邪魔されず1杯のカニを独占する喜び
カニ特有のふんわりと柔らかな身とほのかな甘み。さらにぎゅっと旨味が凝縮した濃厚な味噌。 日本酒とともに少しずつ味わうその時間を、想像しただけで頬が緩んでしまう。 そんな魅力をフルコースで味わえる希少な店が、北陸の食材を使った和食で評判の『かなざわ』だ。
「特選カニコース」(カニ料理の他、能登フグ叩きや寒ブリの造り、のど黒の塩焼きなども含み¥16,000・サ別)では、前菜のすぐ後に、メインのカニが供される。その理由を大将の渡辺 恵さんは、「せっかくカニを楽しみに来てくださるわけですから、もったいぶらずに早くお出しして、お酒とともにゆっくり長く味わっていただきたい」と語る。
特に日本酒とのペアリングは、カニを一層引き立て、これまで知らなかった奥深き味わいに感動するゲストもいるという。
また、カニはすべてむかれ、殻の上に盛りつけた状態で供されるゆえ、手をわずらわすことは一切ない。
1品ずつ提供されるコース料理と並行しながら、自分のペースでカニを味わい尽くす。冬のご馳走は、間違いなくここにある。