女課長アリサ Vol.2

「仕事だけの人生ってイタイ!」8コ下のOLの言葉で、結婚相談所に入会した32歳女

「恋も仕事も順調」なんてあり得るのだろうか?

必死に仕事に打ち込んでいたらプライベートは疎かになり、

かといって婚活に精を出していたらキャリアを追い求めることは難しい。

今日も働く女子達は、仕事とプライベートの狭間で自分らしい生き方を模索している。

大手証券会社で働く、野村アリサ(32歳)は、問題児ばかりが集まる丸の内本店・営業8課の課長に任命される

これは、「女課長アリサ」が、仕事と恋愛に悪戦苦闘しながら成長していく物語である。


「1課の佐藤、もう予算の倍は数字出してるんじゃないか?」
「おー、やっぱり営業1課のエースは違うな」

アリサが丸の内本店・営業8課の課長に配属されて、ちょうど1週間経った期末の最終日。

本店は期末の数字を詰める為、緊迫した雰囲気に包まれていた。

通常は課ごとに数字をつめているのだが、この日だけは一人一人が、数字が決まる度に申告し、店全体で目標までの数字をつめていた。

仕事が出来るセールス達は、この最後の瞬間に大口の約定をとり、その度に「〇〇さん、1,000万円の投資信託約定」等と、どこかの課長からメールが配信され本店中が湧いている。

緊迫感に包まれながらも、まるで狂気的なお祭りのような盛り上がりをみせていた。

そんな中で8課の課員達は、どことなく我関せずといった様子である。

アリサは違和感を感じずにいられない。

―これは、課長が異動になったからなの?それとも、もしかしてこの人たちはいつもこうなのかしら?

そんな、課員たちを前にアリサは、少しでも本店の為になればと朝から顧客カルテを見ながら、提案できそうなお客様に連絡を入れるよう、課員達に指示を出していた。

誰もが電話をかけているなか、話しかけようと祐奈を探したが姿がない。刻一刻と時間が経っていき、一分一秒も惜しいと言った心境だったが、待てど暮らせど席に戻ってこないのだ。

「全く、こんなときに三井さんてどこに行ってるのかしら?」

「メイク直しじゃないですか、いつものことですよ!」

アリサが独り言のようにつぶやくと、他の課員が答えた。

本店のお荷物である8課の中で、特に目に余るのは2年目で24歳の三井祐奈だった。

祐奈はパッと目を引く華やかな見た目をしている。

丁寧にブローされたロングヘアは、絶妙なゆるさのカールにしており、お肌は毎晩丁寧に手入れされていることを想像させる艶やかさだった。

―昨日はセリーヌのベルトバッグ、今日はエルメスのガーデンパーティ。2年目の時ってそんなにお金あったかしら・・・?

祐奈が身にまとっているものは明らかに高級感があり、30代のアリサと変わらない財力があるかのようなファッションだ。

彼女は、他の社員が7時台に出勤しているなか、常に定時ギリギリ8時40分に出社。

お昼は毎日11時半からきっちり1時間。そして頻繁に化粧を直しに席を立つ。仕事が出来ているのならそれでいいのだろう。

だが、彼女は毎月予算を大幅に落としているどころか、これまでに一度も達成したことすらない様なのだ。

これにはアリサも、頭を抱えざるを得なかった。

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