やっぱり大切な人
「山本くん、君には経営戦略部に異動してもらうことになりそうだ」
太一は、神田の言葉に耳を疑った。
―今、経営戦略部って言ったか…?
「は、はい!?」
異動を覚悟はしていたものの、思いがけない部署名に頭が追いつかず、間抜けな返事をしてしまった。
神田は呆れたように笑って、「経営戦略部、希望してたんじゃないのか?」と聞いてきた。
「は…はい。ただ、この前の件もあったので、まさか希望が叶うなんて…」
すると、神田は「それについては、うまくフォローしておいたよ」と前置きしてから続けた。
「働いていれば、そりゃあ、成功もあれば失敗もあるものさ。でもね、君は最後まで、どうにかしようと戦っていたじゃないか。絶対に諦めないという精神には驚かされたよ。
確かに、残念な結果だったかもしれない。でも、僕は、君の働きぶりをずっと見てきた。これまでの活躍や真摯に向き合う姿、それらを評価している」
「神田さん…」
目頭がジンと熱くなった。うっかり涙をこぼしてしまいそうなほど、嬉しい言葉だった。
自分は、なんて良い上司に恵まれているのだろう。感謝してもしきれない。
「本音を言えば、まだ僕の下で働いて欲しかったが、優秀な人材は取り合いだからね。経営戦略部での活躍に期待しているよ。さあ、食べよう」
「ありがとうございます!」
頭を下げた太一は、心の中で「綾子、ありがとな」と、つぶやいた。
◆
「ついに経営戦略部に異動することになったよ!」
仕事を終えた太一は、綾子に電話をかけた。
すると、綾子は「すごいじゃない、おめでとう!」と、自分のことのように喜んでくれた。
そして「明日の夜会えない?ささやかだけど、家でお祝いしようよ」と提案してくれた。
翌日、会社帰りに太一はドラッグストアに寄り、ストックがなくなっていた『賢者の食卓』を1箱購入した。
やっぱり、自分には綾子しかいない。彼女に再会してからというもの、太一は日に日にその思いを強めていた。
経営戦略部への異動は決まったが、今後海外に行く可能性はゼロではない。だが改めて綾子に結婚を申し込もうと心に決めた。
―僕の強みは諦めないところって、神田さんも言ってくれたしな。
そんなことを考えていると、綾子の部屋に着いた。
綾子の部屋を訪れた太一を、綾子は「おめでとう」と、とびきりの笑顔で迎えてくれた。
ソファに腰かけると、綾子が声をかけてきた。
「太一の好きな、ビーフシチュー作っておいたよ」
太一は「ありがとう」と言いながら、自分で購入した『賢者の食卓』を取り出した。
「食事と一緒に、これを飲まなきゃ。綾子も一緒に」
「あら、随分気が利くじゃない」
「帰りがけに買ってきたんだ。綾子がいつも体を気遣ってくれるから自分でも飲み続けたいって思ったんだ。いつも感謝してるよ」
綾子は悪戯っぽく笑う。
「なんか...太一格好良くなったね」
格好良くなったと褒められ、不覚にもドキッとしてしまった。少し赤くなった顔を隠すように、綾子を抱き寄せた。
そして綾子を抱きしめながら、今夜、5年ぶりのプロポーズをリベンジしよう、と心に決めたのだった。
Fin.
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