NEO渋谷区男子 Vol.5

「一応、彼女はいるけど…」。富も名誉も手に入れた33歳男が、結婚しないわけ

僕は今年で33歳になるし、そろそろ結婚すべき年齢なのは知っている。けれども僕は、どうしても結婚にメリットを感じられないのだ。

責任を取るとか、ずっと一緒にいるとか。そんな自信はどこにもない。

「結婚ってさ、何のためにするんだろうな・・・」

一生同じ人といて、気は変わらないのだろうか。

既婚者で浮気をしている人も多いけれど、そんな気力もなければリスクも極力取りたくない。

もっと簡単に考えられれば良いのかもしれないが、無駄にそこは生真面目だ。だからこそ、僕は結婚に二の足を踏んでいる。

「結婚がさ、2年制とか5年制とか決まっていればいいのにな。その期間が経った時にまだ好きだったら更新すれば良いし、その時に愛情が冷めていれば、そこで契約終了。それでいいじゃん」

物凄く合理的な考えだと思う。

そもそも、パートナー制度で良いではないか。結婚して離婚となると、財産も取られるし男側のメリットは、どこにあるのだろうか。

「まぁ某社長も絶対に結婚しないことで有名だしな。ある意味、賢いよな」

そんなことを話しているうちに夜は更けていき、気がつけば深夜12時になっている。

「じゃあ、そろそろ解散するか」

外へ出ると、圭二が待たせていた運転手付きの社用車が止まっている。

「恭平も、そんな稼いでんだから社用車くらい持てばいいのに」

—社用車は、必要ない。どこへ出社するわけでもないし、コスパが悪そうだから。

そう言いたい気持ちをグッと抑えつつ、僕は呼んでおいたタクシーに乗り込んだ。


なんだろうか、このモヤモヤは。成功して、お金は手に入れた。分かりやすくお金持ちアピールする人種は嫌いなはずなのに、そうはなれない自分に対して小さな苛立ちと葛藤を覚えることもある。

「あ、ここで大丈夫です」

マンションの下までタクシーで行こうかと思ったのだが、何となく歩きた......


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