9月11日。 東京・汐留のラグジュアリーホテル『コンラッド東京』で、一夜限りのイベントが行われた。
イベントの名は「Massimo Bottura in Tokyo」。
「世界のベストレストラン50」で2度(2018年、2016年)、世界一に輝いたマッシモ・ブットゥーラシェフがこの日のためだけに来日し、特別なディナーを作るというものだ。
選ばれし者だけが参加できた、このイベントの全貌をご紹介しよう。
18組36名だけ!プラチナ・カード®会員だから体験できた食を楽しみ尽くした夜!
世界中の美食家であれば、一度は訪れたいと願うイタリア・モデナのレストラン『オステリア・ フランチェスカーナ』。
そのオーナーシェフであるマッシモ・ブットゥーラ氏が来日して腕を振るう「Massimo Bottura in Tokyo」は、アメリカン・エキスプレスのプラチナ・カード会員のために開催されたイベントだ。
プラチナ・カードのコンセプトは、毎日を忙しく過ごす人々に、人生をより一層、楽しみ尽くすのに必要な支えを提供すること。
その会員の中から抽選で選ばれた参加者は、18組36名のみ。参加費1人10万円というイベントは、一体どんなものだったのか?
イベントは「プレゼンテーション」「カクテルパーティ」「ディナー」の3部構成で行われた!
『オステリア・ フランチェスカーナ』は世界中の食通が憧れる“予約の取れないレストラン”だが、日本でその存在に注目しているのは、まだ一部の美食家やプロの料理人のみ。
だからこそ、この日会場に集まったゲストは情報感度が高い人々ばかりだといえる。
自分にとって意義のある時間を過ごすことに価値を見出している彼らは、メディアの情報に振り回されるのではなく、むしろ最先端の体験を求め、積極的に動いていく側。
そんな彼らがアメリカン・エキスプレスのプラチナ・カードを選ぶのは、ダイニングや旅、エンターテインメントまで、会員ひとりひとりのニーズにあわせて、様々な、そしてプレミアムなサポートを提供してくれるきめ細やかさがあるからだという。
◆16:30
マッシモ・ブットゥーラ氏登場!シェフの「デモンストレーション」に聴衆は惹き込まれた!
マッシモ氏は会場に登場すると、東京でこのイベントを開けることの喜びを語った。
「私は東京が大好きです。第2の故郷と言っても過言ではない。そんな東京で、この素晴らしいイベントを行えることを嬉しく思います」
続いてマッシモ氏は、アシスタントシェフがステージ上で料理の準備をする横で、プロジェクターに現代美術家アイ・ウェイウェイの作品「落下する漢時代の壺」を映した。
これは、壺を抱えた男性が、その壺を落として、割り壊すまでのプロセスを撮影したという作品だ。
「新しい伝統を創造するためには、この写真に描かれているように過去を打ち破らなければならないのです」とプレゼンテーションを始めた。
「古いものを壊すということが重要なのではありません。壊すという行為が、新しい伝統の始まりになることが重要なのです。新しい伝統を生み出す、これがクリエイションです」と語った。
「私は料理を通して、頭の中にあるアイデアや、これまで私が触れた文化や体験を、共有したいと考えています」
その最たる一皿として紹介してくれたのが『ラザニアのクランチな一面』だ。
「これは私の幼い頃の体験をシェアする料理です。モデナの人にとって、ラザニアはいわば家庭の味。中でも、一番人気は、この角にあるカリカリした部分です。
幼い頃、私は祖母が手作りしたラザニアの香ばしく焦げた角を、兄弟たちと取り合いながら食べたものです。その時の、ワクワクした気持ちを思い返しながら作ったのがこの料理です」
また、この日はゲストからの質問タイムも設けられた。「仕事を抜きにしてシェフが自分で食べたいと思う料理は?」と問われると、
「実家に帰った際に、母が出してくれる料理を食べるとほっとしますよね。そんな気持ちにさせてくれる料理を、食べたいと思っています。東京で、そんな気分が味わえるのは『すきやばし次郎』と『ナリサワ』です。
実際に今回も『ナリサワ』に遊びに行きました。その際も、日本の子供たちが好むというメロンソーダにヒントを得た料理を提供してくれました」と教えてくれた。
日本、そして日本で提供される一流の味に対するマッシモ氏自身の造詣の深さが垣間見られ、会場参加者からは、感嘆や同意の表情が見られた。
また、時折ユーモアを交えながら進めるデモンストレーションに、会場は和やかな空気に包まれた。
◆18:30
「カクテルパーティ」では、100年物のバルサミコを使った特製カクテルが振る舞われた!
28階のバー&ラウンジ『トゥエンティエイト』で繰り広げられたのは、優雅なカクテルレセプション。
アペリティーボは、マッシモ氏の親族が作っている100年物のバルサミコヴィネガーを垂らしたフランチャコルタと、40カ月熟成のパルミジャーノ・レッジャーノだ。
会場ではマッシモ氏が秘蔵のバルサミコを自らゲストに振る舞う、即興サービスも。
とろりとしたバルサミコは、深い香りと旨味が凝縮し、心地よい余韻が楽しめた。
浜離宮の夜景がきらめく窓を背景に、洗練されたスーツやドレスのゲストがフルートグラスを手にする光景は、まるで現代の社交界のよう。