女性が輝く国、日本。
政府の後押しもあり、女性の社会進出は急激に進み、いまでは第一線でバリバリ働く女性も珍しくない。
某IT企業で事業開発部サブリーダーとして働く片桐明菜(28歳)もそのひとりだ。
ハードな日常を過ごす中で、明菜が心待ちにしているのが「金曜の夜」だ。
週末のたった一夜だけ、明菜は自分を「解放」する。
これは、日々を懸命に生きるアラサー女性の物語である。
「はぁ~。疲れた…」
明菜は、ソファになだれ込むように腰をかけた。ふと窓に視線を移すと、夜景が目に映る。「綺麗…」そう呟き、しばし茫然とする。
自分を鼓舞するために借りた、三軒茶屋のタワーマンションは、家賃は少し割高だったが、窓から見える景色が気に入って契約をした。
「この夜景を毎晩見られるなら、安いものね」
現在のポジションについて1年。同期の中では抜きんでたスピードでキャリアを重ね、仕事は順調そのものである。
最近では大きな仕事も任せられるようになってきた。だが、それに比例してプレッシャーが倍増したのも事実だ。
それゆえ、仕事を終え自宅に戻ってくると疲れ果てているというのが日常になっている。
そんな時、携帯の着信音が鳴った。
「今週末、大学時代の友達と飲むことになったから会えない。ごめんね」彼からのメールだった。
明菜には、3年付き合う商社勤めの彼氏がいる。性格や趣味も合う彼との関係は良好だ。
だが、30歳を目前に控えて結婚を意識し出した明菜に対し、彼からは一向にそんな気配はない。
そんな彼にイラ立ちは感じつつも、その思いをぶつけることはしない。
何故なら、今の関係が壊れるのが怖いから…。
1日の終わり、明菜はベッドでインスタグラムを開くのが日課になっている。
友人たちが投稿する、美味しそうな料理や新しいネイルの写真に「いいね」を押していく。
すると、「#家飲み」というタグとともに、気になる商品画像に目が留まった。
気になった明菜は、インスタグラムやインターネットで「家でのひとり飲み」を検索してみた。
すると今、オトナ女性の多くが家でひとり飲みを楽しんでいるというブームがあるらしい。
「この『チョコフレークプレミア』って新発売なんだ。子供の頃にチョコフレーク、よく食べたなぁ。懐かしい♡明日買ってみよう」
明日は久しぶりに予定のない金曜の夜。
翌日、明菜はコンビニでお酒と『チョコフレークプレミア』を購入することを決めた。
そして、金曜の夜。明菜は新発売された『チョコフレークプレミア』を購入した。
「今日は赤ワインを合わせてみようかな」。大のワイン好きの明菜は、家にもワインを常備している。
そんな中から取り出したのは、ミディアムボディの赤ワインだ。まずは、ラム&レーズンを口にしてみる。
「あっ、美味しい♡」思わず、笑みがこぼれた。
ゆったりとソファに腰を下ろし、『チョコフレークプレミア ラム&レーズン』と赤ワインとのペアリングを楽しむ。
「疲れた身体に、甘みが染みるなぁ。しかも、大好きな赤ワインと一緒に食べられるなんて最高♡ 週末のプチご褒美に最適な一品見つけちゃった」
明菜はすっかり、『チョコフレークプレミア』の魅力にハマってしまった様子だ。
身も心もリラックスした明菜は、そのまま眠りに落ちた…。