1/3のイノセンス ~友達の恋人~ Vol.9

「私の本気、見て欲しいの…」既読スルーの彼と復縁を果たした、女のテクニック

杏:信じ難い光景


−どういう…こと…?

突如として目に飛び込んできた光景に、私は言葉を失ってしまった。

信じられない気持ちと「やっぱり」という落胆が、交互に押し寄せる。

恵比寿駅から5分ほど歩いた、敦史の家の前。そこで私が目にしたのは…。

寄り添って歩く、二人の男女。まるで腕にぶら下がるような格好で敦史に甘える、優香の笑顔だったのだ。



22時半を過ぎても、敦史は約束の場所に現れなかった。

居ても立ってもいられなくなった私は、迷いつつも彼のマンションへと向かったのだ。

…別に、待ち伏せをしようなどと考えていたわけじゃない。ただ、何の連絡もよこさない敦史が心配だった。

そのまま家に帰る気にもなれないし、手持ち無沙汰に歩いていたら、彼の自宅近くまでたどり着いてしまったというわけ。

今日こそ。今夜こそは素直な気持ちを伝える。

つい数時間前までは、そう強く決意していた。けれど…まさか敦史が優香と一緒に現れるなんて。


寄り添って歩く二人を目の前に、私の決意は音を立てて崩れた。

当然だ。仲睦まじく歩く二人の間に割って入るような真似…できるわけがない。

私はただ二人に気づかれぬよう、逃げるようにその場を離れた。

−どうして…。

どうして二人が一緒にいるの。約束したのに、どうして......


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