港区モード Vol.12

東京男の品格:“男ウケ”を狙いすぎた女が気づいた、人生の過ちとは

港区には、モードな男たちが多数出没する。

スタイリッシュで、品があり、上質なファッションを纏う『港区モード』な男たち。彼らが街を歩けば、そこにドラマが生まれる。

この連載では、『港区モード』な男を目撃した人々に起こる、小さなドラマを紹介しよう。

これまで、「最後の男」「One day」で港区に住む様々な人の物語を紹介してきたこちら。

先週は、女性に自信を持たせることができる男の品格を紹介した。今週は…?


私は自分の“市場価値”を十分理解しているつもりだ。

自分には、見た目の華やかさが欠けていることを思春期の頃に気づき、それからというもの、恋愛市場で何を自分の武器にするかをずっと考えてきた。

それは、本格的に婚活を始めた23歳くらいの頃から、26歳になった今も変わらない。

私が望むようなステータスの高い男の人に選んでもらうためには何をすればいいのか。

容姿だけでは選ばれない。話していて楽しいと思わせられるほど頭の回転が特別速いとも思わない。

そうして私は、とにかく男の人に好かれる立ち居振る舞いやファッションを追求し、男の人が好む女になろうと努力してきた。

いつも口角を上げて、やわらかな表情でいることを心がけ、透明感のある声が出せるよう発声にも気をつけた。

ファッションだって、自分が着たい洋服よりも男性にウケるものを選ぶ。同じように、メイクも髪型も、基準は自分ではなく男の人だった。

洋服は女子アナをお手本にパステルカラーで主張の強くないデザインを選び、メイクはとにかくスッピン風になるよう時間をかけてつくりこむ。

唇はつや命で、ナチュラルに見えるピンクベージュのみ。髪は絶対にロングで、胸より下の長さをキープ。

ツンとしていても男が寄ってくるような女友達から「そこまでしなくていいんじゃない?」と言われたこともある。

そう言われる度に、男を選べる立場にいる女というのは、なんとも傲慢なものだと思い、虚しくなったりもした。

けれど、そんな意見には耳を傾けないよう自分を律して、私はとにかく“男ウケ”を優先させてきた。

だから今日のクルージングも抜かりなく、白のロングスカートに淡い黄色のノースリーブを合わせて、柔らかな雰囲気に仕上げてきた。

よりステータスの高い男性を手に入れるために、そうして突き進む。

これで人生バラ色まっしぐら、と思っていたけれど…。

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