港区モード Vol.10

東京男の品格:29歳目前。未婚でいることを不安に思う女を癒した、男の行動とは

港区には、モードな男たちが多数出没する。

スタイリッシュで、品があり、上質なファッションを纏う『港区モード』な男たち。彼らが街を歩けば、そこにドラマが生まれる。

この連載では、『港区モード』な男を目撃した人々に起こる、小さなドラマを紹介しよう。

これまで、「最後の男」「One day」で港区に住む様々な人の物語を紹介してきたこちら。

先週は、ギャップのある男の品格を紹介した。今週は…?


私の人生計画が狂い始めたのは、いつからだろうか。

22歳の時に立てた計画では、今の私の年齢ではすでに結婚しているはずだったのに…。

来月で29歳になることを、私は今、何よりも恐れている。

自分の誕生日を恐がる女を、若い頃の私は哀れんでいる節さえあったというのに。今の私はといえば、当時哀れんでいた女そのものだ。

まるで今年の、終わりの見えなかった梅雨と同じ。

心の中は常にどんよりとしていて、最後にカラリと晴れていた日なんて覚えていない。

だから私はこの夏、そんな嫌な気持ちに蓋をするべく、積極的に外へ出た。

しばらく休んでいた食事会にまた参加するようになり、表面的には華やかな生活を取り戻した。

28歳と11ヶ月。マーケティング会社勤務、白金高輪在住、独身。東京のどこにでもいるような、ありふれた女。それが私。

自分を特別な人間だとは思っていない。

でも、特別じゃなくても、私だって普通の幸せを手にしたい。

けれど…皆が当たり前のように手にしている幸せは、実はそう容易に手に入るものではないらしい。

出口の見えない迷いの中、少しの時間だけでも頭を悩ませる問題から逃げたくて、私は食事会友達からのある誘いに、二つ返事で参加することにしたのだ。

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