
SNSで妻に“タグづけ”されるドクター。会うのは不定期、結婚6年目の夫婦のリアル
別居婚の危機「タグ付けで幸せアピール」
「別居した当初は妻も心配だったらしく、やたらSNSで僕をタグづけしてきました。それも子供と一緒の写真とかに、意図的に。
#娘のバースデー、#パパが作ったご飯、#happy、とかハッシュタグをつけて。“別居はしているけど、結婚生活うまくいっています”アピールとでも言うんでしょうか」
その流れで、妻は夫のFacebookやインスタを徘徊しパトロールするようになった。
「僕がタグづけされた写真を、まるで霊媒師かよっていうくらい透視するんです。わずかに写っている手とか、影まで見るんですね。これが、笑い話にならないくらいのレベルだったんです」
もともとそんなタイプの女性ではなかったので驚きを隠しきれなかった。お互いの夢を尊重し別居婚を選んだのに、これでは余計に窮屈な生活をしているのではないか、と。
一時は、妻が東京に戻ってくるかという話にもなった。
「妻に夢を諦めて欲しくなかったので、僕が潔白を証明するために1週間に一度何とかして沖縄に行って、東京にとんぼ返りするという生活を2ヶ月ほど送りました。その様子を始めはタグづけされていましたが、家族で時間を持つことで次第に妻も自分らしさを取り戻して来ました。
結局、お互いのSNSは見ないし、タグづけもしないということで落ち着きました」
とは言いつつも、妻がSNSパトロールしようがしまいが拓人は、別居婚を開始してからモテるようになったという。
「変な話、別居しているというと勝手に周りに誤解されるんですよ。うまくいっていないのかなとか、一人は寂しいでしょとかって。男女問わずご飯に誘われることが増えましたね。
そして、結婚しているからという安心感もあるのか、気軽に女の子から相談を持ちかけられて、これはどういうつもりなのだろうということは、正直よくあります(笑)でも僕、浮気願望とか本当にないんですよ。妻のことを裏切りたくないので。だから堂々と胸を張って別居生活を送れているのかもしれませんね」
拓人は、そう言って爽やかに笑った。
お互いの夢を応援する形、無理をしない自然な形
今の生活に心から満足している様子の拓人だが、ものごとにはメリットとデメリットの両面があるもの。そのあたりも聞いてみた。
「僕らの場合、お互いの夢を応援する自然な形が別居婚なので、今は別居婚のメリットしか感じていないです」
ときっぱり言い切る拓人。
何よりも妻と子供がいきいきと楽しそうに沖縄で生活していることが、別居婚がうまくいっている証拠だという。そして不定期で会うことも良い刺激になっていて、結婚6年目の今でも変わらず仲が良い。
「子供にたまにしか会えないのは寂しく感じましたが、慣れましたね。LINEで毎日話していますし。
結婚が家族の同居を前提としているというのは、ネットなどが普及していない一昔前の時代の価値観だと思いませんか。
僕の父親世代くらいまでは、男の人は家事をするなんて少数派でしたけど今では当たり前になってきている。会社に行かないリモートワークっていうのも時代が変わって認められるようになって来たように、家族のあり方も今後変わっていくと思うんです。
多分、別居婚やデュアルライフも10年後には珍しくないスタイルだと思いますよ」
インタビューを終えても、結婚は何のためにするのか?に対して答えは出なかった。でも、結婚している夫婦の数だけその理由はあっても良いのかもしれない。
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