SNSで妻に“タグづけ”されるドクター。会うのは不定期、結婚6年目の夫婦のリアル

好きだから、別居婚を選択。強烈に惹かれた二人の出会い


「そうですよね、やっぱり別居婚の実態って気になりますよね。ところで、結婚って何のためにすると思いますか?」

別居婚の理由を聞いたものの、逆に質問で返される形となった。だが彼は、こちらの答えを待つでもなく、続けてこう言った。

「妻とは、社会人になってアメリカ留学をしていた時に現地で出会いました。出会った時に、お互いすぐにこの人だってわかりましたね」

人目を惹く美人という訳ではないが凛としていて透明感がある。人との距離感が絶妙でよく笑う彼女の周りには、男女問わずいつも人が集まっており、そんな彼女に惹かれたと言う。

二人の考え方も、よく似ていたのだそう。世界中を旅して、様々な人種と出会うことが好きで、付き合い始めても二人だけのデートをするよりも仲間と一緒にワイワイしていることの方が多かった。

「結婚前から、妻は子供が生まれたら自然豊かな沖縄で子育てしたいという夢を持っていました。“横浜出身だから海が近いところじゃないと暮らせない”とよく言っていましたが、色々な場所を旅した結果、特に沖縄の暮らしと海が、肌に合うと直感的に思ったみたいです。

自由を愛する二人なので結婚なんてできるのかと思っていましたが、逆に型にはまらない新しいスタイルの家族があっても良いのでは、と話し合って結婚したんですよ」

子供が二人生まれた後、妻は夢を叶えるべく沖縄に移住し別居婚が始まった。拓人は、結婚当初一緒に住んでいた文京区のマンションを維持する形で住んでいる。

妻は、東京でもともとやっていたフラワーコーディネーターの仕事をフリーランスとして沖縄でも続けており、ホテルや結婚式場で仕事をしている。

「他にも、沖縄だからこそできることを、徐々に仕事にしているようで毎日楽しそうですよ。例えば、沖縄での子育てやデュアルライフを記事にするライター業をしたり、地元の人しか知らないディープな沖縄ツアーを企画したりと。

もともと社交的なので、沖縄の人たちともすぐに打ち解けて、ビーチでママ会やヨガをしたりしているみたいです。

子供達は、まるで大勢の親戚に囲まれているような環境で、多くの人に見守られながら大自然の中で育っています。こういう経験は、東京ではなかなかさせてあげられないですね。

僕らはフリーランスで仕事をしているので、お互いが出張を兼ねて行き来するついでに会うということも多いです」

別居婚の距離感をあえて楽しんでいる、そんな風に聞こえてくる。だが、順調に理想の暮らしを手にしたように見える彼にも、このスタイルに落ち着くまでには紆余曲折があったと言う。

「色々あったんですよ。一番大きかったのは、妻のSNSパトロール問題です」

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