「やっぱり東京に住みたい」地方暮らしに耐えられず、夫との別居婚を選んだ女の執念とは

作戦その① 志望校は、田舎でも知名度が高いミッション系女子校


わざわざ地方から受験するので、地方でも知名度が高いこと、そして高校もしくは大学までの一貫校でなければ意味がないと考えた。そういう学校であれば周囲も説得しやすいだろうという目論見もあった。

「主人が女子校を希望していたこと、私自身がカトリック系の学校で育ったこともあり馴染みがあったので、聖心女子学院、白百合学園、雙葉、あたりを目指すことにしました」

作戦その② 週末のお教室通いで東京へ。交通費は、月25万円!


お受験情報を収集する目的もあり、娘が幼稚園の年少の頃から東京へのお教室通いを週末に開始した。年長になる頃には講習会などに参加するため、東京に長期滞在もした。

「当時はまだ北陸新幹線がなかったので、飛行機で往復していました。今は新幹線で移動することもありますが、どちらにせよ1回につき優待チケットを用いても2人で往復4〜5万円はかかるので毎月15~25万円くらいは交通費にかかっています」

作戦その③ 東京にお受験用のマンションを用意


「お受験の準備が本格化してきた年長の頃に、都内にマンションを借りて住所を移しました。私の実家もありますが、何かと便利な場所に住みたかったので。

受験の時に、実際通学できるかということも重要な考査ポイントになってくると思いましたし。ですので当時は、渋谷に家を借りていましたね」

そうして、お金と労力をかけて臨んだお受験。彼女の娘は見事、本命に合格した。

「もちろん娘の教育のためにという理由もありましたが、私自身が田舎暮らしから抜け出し東京に出てくる大義名分ができたと、とても嬉しかったです」


そうして真理子は、半ば執念で念願の東京ライフを再び手に入れることになった。では実際の、お受験合格後のデュアルライフの実態はどのようなものだろうか?さらに詳しく聞いてみた。

◆港区に高級マンションを購入

「マンション購入は、主人の希望です。私と娘が暮らしやすくて安全なようにと、学校から徒歩圏内で駅近くのセキュリティーの高いマンションを購入しました。主人が来ても泊まれるように、広めの部屋にしました」

快適なデュアルライフを送るため、各拠点での部屋の確保は必須だ。住居の場所と質は、デュアルライフの質に大きく影響する。住居に妥協がないあたりは、さすがセレブ婚の実態だ。


◆これだけは守る!ご主人との約束

「主人が娘に会えないのは寂しいから、絶対に週末は富山に帰るという約束をしました。これだけは、今のところ忠実に守っています。娘も週末にパパに会えることがとても楽しみのようで、とてもパパっ子です」

実際に医師の仕事は多忙であり、もともと平日はワンオペ状態だったため、ご主人が子供と接する頻度は、以前と変わらないと真理子は話す。会える時間は週末だけでも、家族は仲良いようだ。


◆セレブ婚あるある、後継問題

「義母からは、家族が一緒に暮らさないなんて、とお受験前は嫌味も言われましたが、主人も賛同の上で決めていますから、結局は口出しできなかったみたいです。

私は主人と結婚したのであって、主人の家族と結婚したわけではないですからね。最終的には、私たち家族の決断を優先しています。義母も、孫が楽しそうに学校に通っている話をきくと、今更反対もできないようです」

病院の後継問題については、どう考えているのか尋ねた。

「後継問題ですか?それは、うちの主人は気にしていないです。娘の人生ですから。医者になって欲しいとは思っているみたいですが、わざわざ地方で継ぐことはないと思っているみたいです。

義母から第二子男児誕生の期待はありますが、第二子が生まれるとこのデュアルライフのバランスが崩れてしまう可能性があるので、今のところ予定していないですね」

娘が独立したあと、どこで暮らすかはまだ決めていないが、二人ともゴルフが大好きなのでゴルフ場が近くにある海外リゾート地に住むのもいいね、とご主人話しているとのこと。

真理子のライフスタイルは、子供の教育のためという大義名分はあるが、自分の幸せの追求の結果でもある。金銭的余裕と家族の理解があれば、今の時代どこにだって自由に住めるのかもしれない。


▶Next:5月17日 金曜更新予定
東大卒のバツイチCEOが登場。恵比寿と湘南のデュアルライフの実態とは?

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