有名ビストロシェフが薦める、とっておきの郷土料理 Vol.7

有名ビストロシェフが薦める、とっておきの郷土料理

アルザスを愛した時からの一皿

シュークルート

ドイツ名物「ザワークラウト」の仏語版。発酵キャベツと塩漬けの豚スネ肉、ソーセージ、ベーコン、ジャガイモをスパイスとともにじっくりと煮込んだ食文化の結晶ともいえる郷土料理。本場アルザスでも簡略化された工程を、すべて自家製で貫く。¥2,160

フランスの東端、アルザス。スイスとドイツに隣接する国境の地。オーナーの富田氏はワインが好きで醸造元を巡るうちこの地に辿り着く。可愛らしい町並みと温かい人々に触れてアルザスに惚れ込んだ。何より記憶に残ったのは、収穫後にワイナリーでおばあちゃんが出してくれたシュークルート。

体を動かしたあとのご馳走は最高に旨かったし、ボリューム満点に盛られたそれを皆で食べる幸福感は素晴らしかった。その喜びを味わってほしいと思い、オープンしたのが『ジョンティ』。だからお店の宝はシュークルート(だけじゃないけれど)。本場の味を目指し、榎シェフと二人三脚で作り上げた。

「難しいことはわからないし、できない。ただ食事を楽しんでほしいだけ」と謙虚な2人。と言いながら、スネ肉の塩漬けもキャベツの発酵もソーセージもベーコンもすべて自家製で、これ以上ないほど手をかける。客の空間には踏み込まず、料理には最高の愛情を注ぐ。一皿から見えたのは、寡黙で情が深い氏の男っぷり。

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