―私は私。他の誰とも比べたりしない。
結婚して、出産する前まではこんな風に考えていたのに。
子供を持ち母となって、劣等感と嫉妬心に苦しめられる女たち。
未だかつてない格差社会に突入した東京で、彼女たちをジワジワと追い込むのは「教育格差」だった。
大恋愛の果てに結婚したエミと、代々続く病院の医師と結婚した実沙子。高校時代の同級生だったふたりはそれぞれ、幸せの絶頂にいたはずだった。
しかし偶然の再会をきっかけに、エミと実沙子の幸せだった日常は少しずつ狂い始めていくー。
結婚により生活レベルが下がってしまった佐々木エミ。夫と娘を愛しているのに、森田実沙子との再会によって、今まで感じたことのない暗い感情を抱くようになってしまう。
だが、リッチな夫を持つ実沙子も、それまで押し殺していた気持ちが溢れ始めていた。
年収1,000万円の家庭の現実
私・佐々木エミの夫である健太は、世間的にはいわゆる"勝ち組"と呼ばれるにふさわしい年収を得ていると思う。
33歳にして、年収は1,000万円弱。
結婚前には彼がどの程度稼いでいるかなど気にも留めなかったが、子供が産まれて育児休暇を取得中の私は、暇さえあればこの数字に囚われ......
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この記事へのコメント
うちの2歳の娘ですら「今日はピンクのお花のにする〜」とか言いながらクローゼットから持ってきて用意するのに。