略奪愛 Vol.4

突然のキスで始まる禁断の愛...。恋に浮かれる女を絶望に突き落とす、男が隠していた事実とは

知ってしまった“真実”


私が“真実”を知ってしまったのは、それからしばらく経った後…短い梅雨が間もなく明けようという頃だった。

その日は大谷が社長と会食に出かけていたので、遅くまで残業していた私と徹は、気づけばフロアに二人だけになっていた。

連日のように朝から夜まで面接をし、外が暗くなってからデスクに戻って事務作業を片付ける日々。

以前のようにチームの皆で仕事終わりに食事に行くような余裕もなくなり、私と大谷の関係も仕事を通じての、信頼関係のある上司と部下からはみ出すようなことはなかった。

それは少し寂しくもあったが、一方で「これが正しいのだ」という安心感もあった。

彼氏の昭人の論文試験が、もう間もなくに迫っている。

私が優先すべきは、とにかく彼の邪魔をしないこと。彼が最大限の力を発揮できるよう支えてあげること。

他の男に入れあげるなんて、もってのほかなのだ。


「…なあ、三好」

面接した学生たちの資料をせっせと整理している途中、ちらちらと視線を感じるなぁ、と思っていたら、徹が遠慮がちに声をかけてきた。

彼らしくもなく、何やら言いづらそうに口をまごつかせるので、私は笑って「なぁに?」と先を促す。

すると、まったく予想もしてい......


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