世界中の富裕層に愛され続けているシャンパンメゾン、クリュッグ。
近年では世界各地でイベントを開催し、クリュッグと食材と音楽の融合という新しい切り口から世界観を表現している。
そこには、伝統的でありながら革新的である創業当時から変わらぬクリュッグイズムがあった。
175年前から脈々と受け継いできたクリュッグの哲学とは?
まずは「クリュッグ」がなぜ「シャンパンの帝王」とまでいわれるようになったかを紐解いていこう。
1843年にフランスのランスにて、ヨーゼフ・クリュッグにより創業されたクリュッグ。
生まれてすぐにクリュッグの滴で洗礼を受けたという6代目当主のオリヴィエ氏が、妥協を許さない哲学と先見の明を持った創業者から受け継いだメゾンの信念について語った。
シャンパンのすべてを包括した「クリュッグ グランド・キュヴェ」
クリュッグ家には、創業者ヨーゼフが最高のシャンパンを造るための哲学を書き残した手帳が代々受け継がれているらしい。
「その第一条は、『素晴らしいワインは素晴らしい材料なしには造り得ない』というもの。こうした哲学に、私はとても日本的なものを感じます」
90年代初頭に2年ほど日本に駐在した経験もあるオリヴィエ氏。ゆえに日本への造詣も深い。
「日本は、初めて訪れる外国人にとっては些かとっつきにくい場所でしたが、私は人づきあいが好きな人間ですから、楽しみながらコネクトすることができました。
クリュッグが長い歴史の中で、ぶどうの栽培家、トップシェフ、音楽家、そしてクリュッグラバーと呼ばれるクリュッグ愛好家などと良好な関係を育んできたように、私は日本文化を理解していきました」
そんな風に様々な人が関わり合い、何百種類ものアッサンブラージュや何千回ものテイスティングを経て、造り上げられる「クリュッグ グランド・キュヴェ」。
単一年のワインでは表現できない風味や香りを湛える至高の逸品だ。
「最小限の要素にまで心遣いをした、その年にできる最高のシャンパンが、『グランド・キュヴェ』。味わいに幾層もの重なりがある、クリュッグのすべてが詰まったシャンパンです」