頭に血が上りそうになっていた美琴だったが、深く息を吸う。
「新商品の売上、ご存知ですか?彼女の考えた営業施策が、かなり当たってるんです。噂話はあくまで噂話ですから、根も葉も無いことは言わないほうがいいかと思いますが…。」
にっこり笑いながら、しかし毅然とした態度で言った美琴に、彼らは「いや、そんなつもりは…」と慌てて手を振り、すごすごと引き下がった。
「…美琴、やっぱすげーわ!」
旬からの感嘆の言葉に、美琴はハッと我に返った。
「先輩、ありがとう…ございますっ……!」
葵はシャンパングラスを旬に押し付け、駆け寄って来た。
「ずっとああいう風に言われてること、知ってました。だから言われないように必死で…結果を出そうと頑張ってきたから…!
先輩、ほんとにかっこいいです。綺麗で、仕事ができて、…勇敢で。私もいつか、先輩のようになりたいです!」
葵は、目にうっすらと涙を浮かべていた。
葵から最上級の褒め言葉をもらったことはもちろん、言うべきことをきちんと言えたことが嬉しかった。自信がなかったあの頃には、なかなかできなかったことだから。
「本当!先輩、いままでもかっこいいと思ってたけど、今日はいつにも増して!…それに注意する口調が怖くなかったです!」
しおりにも褒められ、美琴は途端に照れくさくなる。これまで美琴は完璧主義ゆえに、後輩に注意する時についつい強い口調になりがちだったが、最近は笑顔で冷静に伝えるようにしていた。
変わりたいと誓った、自分改造計画。少しずつ、だけど、確実に成果は出ているのだと、美琴は改めて実感したのだった。
◆
「先輩、今日は本当にありがとうございました!でも…。私が二人のお邪魔しちゃいましたね。」
「大丈夫よ!またチャレンジするから。じゃあ、また来週ね!」
改めて葵からお礼を言われた美琴は、幸せな気持ちでパーティー会場を後にする。
結局あの後すぐに旬は営業部の先輩に連れ去られ、どんちゃん騒ぎに巻き込まれていた。デートに誘うことはまだできていないが、きっとまたチャンスは来ると思う。
「美琴!」
後ろから、聞き覚えのある声がした。驚いて振り向いた美琴の目に飛び込んで来たのは、小走りで走ってくる旬の姿だった。
「あ、あのさ…。この後、二人で飲みにいかない?色々話したいことがあって。」
旬の頰は、やっぱり赤く染まっている。先輩に飲まされたからか、街灯のせいか、それとも…。
「うん。私も話したいことあるんだ。」
心の中で飛び跳ねながら、美琴はゆっくりと歩き出した。
大きく軽い足取りで、二人の歩調を合わせながら。
―Fin.
美琴に自信をくれた「SUHADA 肌リフト STEP」はこちら>>
◆衣装協力:1P目女性/ワンピース¥18,000 ホワイト(ホワイト ザ・スーツカンパニー 新宿店03-3354-2258)ネックレス¥35,000グロッセ イヤリング¥20,000グロッセ バングル¥12,000グロッセ・グラッセ(グロッセ・ジャパン03-5413-6039)2P目女性/セットアップパンツドレス¥10,926 パーティーバッグ¥1,833 GIRL(株式会社オフィスカワノ0985-29-4747)ネックレス¥60,000グロッセ イヤリング¥15,000グロッセ・グラッセ ブレスレット¥15,000グロッセ・グラッセ(グロッセ・ジャパン03-5413-6039)3P目男性/スーツ¥58,000
ユニバーサルランゲージ シャツ¥7,800ホワイト ネクタイ¥4,800ザ・スーツカンパニー(すべてユニバーサルランゲージ 渋谷店03-3406-1515)バッグ¥19,000シーカー×ザ・スーツカンパニー(ザ・スーツカンパニー 銀座本店03-3562-7637)女性は2P目と同じ ※すべて税抜き価格
◆撮影協力:コスモスイニシア リノベーションマンション