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  • Age32 岐路に立つ女 Vol.3

    若い男との恋は美の特効薬。人生の岐路に立つ32歳女が年下男に言われた、胸キュンな言葉

    32歳。

    それは多くの女性が人生の岐路に立つ年齢である。

    大人の女性として完璧に振舞えるほどではなく、かと言って20代のときのように“若さ”で勝負はできない。

    Age32。岐路に立つ女たちが、この年齢で手に入れておくべきものとは?

    今年32歳を迎えた古市花純(ふるいち・かすみ)の部署に、社内でも評判の美女・青井千秋(あおい・ちあき)が異動してきた。

    千秋に居場所を奪われる気がして焦る花純は同期の衣笠美玲から「自分を大切にして、自信を持って」と励まされ、オススメの美容液を紹介してもらう。

    一歩踏み出した花純の運命が、動き出す。


    週末の朝。

    花純にしては珍しく、パッチリと目がさめた。

    そっとカーテンを開けると、柔らかく差し込む朝陽がサンキャッチャーに反射し、部屋中にキラキラと幻想的な光を散らす。

    自分でも単純だと思うが、たったそれだけのことで気分が上がった。

    −なんか、いいことありそう。

    久しぶりに前向きな気分でベッドから起き上がると、「そうだ」と呟き小走りで玄関へと向かう。

    昨日、さっそく“アレ”が届いたのだ。

    同期の衣笠美玲からの勧めで注文していた土台美容液

    新しい化粧品を試すときの高揚は、恋の始まりに似ている。花純は心を躍らせながら梱包を解くと、さっそく洗面所へと向かった。

    洗顔後に、土台美容液の細やかな泡をそっと、肌に乗せてみる。

    美容液は肌に溶けるように馴染み、滑らかな使い心地だった。いつもの化粧水の前に使うだけなので、これなら毎日続けられそうだ。

    気分を良くした花純は普段の倍の時間をかけ、いつもは流れ作業になっているメイクも細部にまで丁寧にこだわった。最近まとめてばかりだったが、久しぶりに髪も巻いてみる。

    そうやって手をかけた後の鏡に映る自分は、もちろん他ならぬ自分自身なのだが、昨日までの花純とはまるで違う輝きを放っている気がした。

    こうしてじっくり自分と向き合っていると、いつの間にか千秋に感じていた嫉妬なんてすっかり忘れている。そしてその効果は肌だけではなく、意外なところにも発揮されたのであった。

    ソフィーナ③PC

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