煮沸 Vol.3

お金さえあれば生きていける。筆箱の中に友達を隠す少年は、こうして『怪物』に成り果てた

ー 東京都港区、会社役員、橋上恵一容疑者(41)を業務上横領で逮捕

仕事を懸命にこなし、家族を思い、夢を追いかけ、


そして私は破滅した。


『人生の一番はじめから記憶を遡って、特に印象に残っている出来事を思いつくままに書いて、私に送ってください』

教育心理学者である飯島の分析のため、刑務所で自分の記憶を手記にする作業を開始した、橋上。

ーいつから間違ってしまったんだろう…?


貴方にはわかるだろうか?
IPOまで果たした優秀な彼は、「いつから狂っていたのか」。


「橋上さん」

「…なんだ?」



「…お兄さんはどこへ行ったんですか?」

笑いながら飯島が言う。

「調べました。あなたは、長男です。お兄さんなんていません」


頭の中で、電灯に蛾が衝突するときの電子音のようなものが響き渡った。

昔、よく聞いた......


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