プロ彼女 Vol.4

1人の男を巡る女の戦い。“そこそこ美人”な一般OLが、モデル美女に勝つために仕掛けた2つの戦略

知ってる?シンデレラって策士なんだよ

ガラスの靴をわざと落としていったのだから。

夢は願っているだけでは叶わない。
運命なんてない、全ては戦略なの。
幸せは自分の手で掴み取るものよ。

お伽話には種も仕掛けもあるのです。

プロ彼女を目指し、無事慶應大学に入学した藤野沙織港区で人脈を広げ、遂に憧れの“瀬戸涼”とご対面。しかし、瀬戸涼の隣には、女子大生時代の友人・モデルのカンナが不敵な笑みを浮かべていた…


私の目の前に、高校生の頃からずっと、ずっと憧れていた瀬戸涼がいる。

…その隣に、モデルのカンナがいたことは大誤算だったのだけれど。

「こちらは沙織ちゃん、夜中に何回か誘ったんだけど、いつも明日仕事だからって来てくれなくてさ。凄く良い子だからずっと紹介したかったんだよねー。」

能天気な三吉ケンタは、カンナが醸し出す棘のある空気に気付くこともなく、ニコニコと私の紹介を始めた。

「沙織ちゃん、よろしく。お仕事、何されてるんですか?」

斜め前に座る瀬戸涼が、ニカっとハニカミながら私を真っ直ぐに見ている。テーブル越しで見る瀬戸涼の笑顔は、あまりにも爽やかで眩しい。

「OLです」
「えー?同業かと思った。こんなに綺麗なOLさんっているんだね」

瀬戸涼のサービストークにむすっとするカンナに、彼らはまだ気付いていない。そしてケンタはこう言った。

「綺麗だよねぇ。しかも沙織ちゃんは、涼と同じ大学なんだよ。慶應!」
「ほんとに?久々に慶應生に出会ったわ!なんか嬉しいわ〜」

瀬戸涼はニコッと笑うと「いぇーい、三田会」とグラスを合わせてきた。対角線上で乾杯し、母校という共通の話題で盛り上がる私たちを、カンナは頬杖をしながら不服そうに見つめている。

「三田会って何〜?」

つまらなそうにしているカンナにようやく気付いたケンタは、場を盛り上げようと乾杯を促す。

「いぇーい、高卒」

が、カンナはそれを見事にスルーした。

—高卒…

第一ラウンドは私の勝ち、だろうか。私の登場で一気に蚊帳の外になってしまったカンナはくるりと態勢を横向きにし、瀬戸涼に微笑みかけた。

「あ、涼くん全然飲んでない、一気ね〜っ」

まるで子猫が戯れるように、さりげなく、でも確実に、瀬戸涼の腕や膝をペタペタと触っているのが目についた。

顔もスタイルもお人形のような女の子に、ボディタッチをされて嫌な男はいない。瀬戸涼も男だ。例外ではないだろう。

全員で話をしようにも、大きなテーブルで隔たりがあるため、カンナが個人プレーに走ると簡単に断裂してしまう。

—あぁ、やっぱり早めに来て隣を死守しておくべきだったかしら…
—でも、大丈夫。セオリー通りでしょ

【プロ彼女】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo