鮨好き著名人たちの、粋な鮨屋の活用法 Vol.1

寺島しのぶ&ロラン・グナシア
男と女ふたり鮨

肩寄せ合うカウンターといえば色と恋。その関係を未だ守れる大人なふたり。
夫婦ゆえの鮨遊びは、艶事に連なって――。

curated by
寺島 しのぶ

美味を共有する。それが、一番の愛情表現

結婚しても睦まじく。夫婦ふたり鮨の理想型

結婚5年目、9月には第一子を授かる寺島しのぶさんとロラン・グナシアさんが訪れたのは、ご存知、西麻布『真』。店主・鈴木真太郎さん、実はしのぶさんのマネージャーさんと20年来のお知り合いだとか。そんなご縁もあってのご来店。さ、カウンターへ。

「今日は、食べるよー!」威勢良く声を発するはしのぶさんの方。ロランさんは言葉少なく笑顔で挨拶です。まずはシマアジからスタート。ふたり各々の前におかれた鮨一貫、しばしじっと見つめるとやおら指先で軽くつまみ、口元へ。二日ほど寝かせたシマアジは濃厚でねっとり感すらある旨み。ひと口ですべてを頬張り、ゆっくりゆっくり味わって、一拍おいてにっこりと唱和。「おいしー!」

この間、ふたりの指と口の動きと表情は寸分違わぬ相似形。おやおや、噂通りの睦まじさ、です。「ロランは、私と知り合う前から築地が好きで。だからふたりで鮨なら、築地が多いですね」旬のイサキを口に運ぶと、顔を見合わせて満面の笑み。この辺からふたりの距離は縮まるばかり。

「好物はまぐろ、ウニ、海老」というロランさん、鮨を握る鈴木さんの手元をじっと見つめます。そば屋などでもカウンターがあれば必ず、そこが指定席だとか。「職人の、手の仕事は大切です」本当ですか?ロランさん。鈴木さんが一所懸命、ネタの説明をしている時はもう、しのぶさんのことしか見てなかったクセに。まさに蚊帳の外とはこのこと。

一見強面、実は優美な動きで生み出す美味で幾人もの鮨ラバーをノックアウトしてきた親方ですら、ふたりの前では形無し。「また来たいけど、子供が生まれたらしばらくお預けね」「ベビーシッターを頼めばいい」「この辺がフランス人よね(笑)」あらまた濃密な空気が流れ出し。そろそろ我々がごちそうさん。

左.旬のイサキは三重産の活け締めを熟成

右.千葉産鮑に、肝ソースを載せて

「東京ベイ産のネタはどれ?」「カウンターは毎日磨くの?」と興味津々のロランさん。夫婦ふたりなら、初訪問の店でも会話は自然に


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