女もつらいよ Vol.9

「もう、無理しなくてもいいんだよ」。夫からの言葉に、素直にイエスと言えなかった女の後悔

高学歴・高収入・男性に引けを取らない仕事への情熱。

都内の高級エリアに住み、欲しいものは何でも自分で買うことが出来、食事は本当に美味しいものしか食べたくない。

にゃんにゃんOLのように自分の生活を誰かに変えてもらおうと、必死で結婚相手を探す必要もない。

そんな無敵のような女に訪れた苦難。あなたは、どう感じるだろうか?

上司から突然のNYへの赴任辞令を言い渡された可奈子。夫である清も可奈子がNYへ行くことに納得してくれ、仕事を続けながら子作りにも取り組んでいくことになった。

可奈子と清は、2年間の遠距離別居婚をした後、可奈子は東京オフィスに戻り早速大型の案件を獲得したのだが、重い腰を上げてようやく取り組み始めた子作り治療と可奈子の海外出張日が重なってしまう


可奈子は頭を抱えるしかなかった。

クライアントの急なスケジュール変更があり、急遽指定された日程は可奈子の通院日と重なってしまう。

それに加えて先方から、アメリカ出張に際しては海外案件の経験が豊富な可奈子に帯同して欲しいとリクエストされていた。

可奈子のこの案件に対する思い入れは相当なものだった。

今までの可奈子だったら、迷わず出張に行っただろう。

だが今は、すぐに「行きます」とは言えずにいた。

―行きたい。でも、行けない…。

やはりこういう局面でも、思わずにはいられない。

ーどうして女ばっかり…。

やるせなさと、諦めにも似たような気持ち。それが可奈子の脳内でごちゃ混ぜになる。

どうしてこうも女の人生は、年齢や身体のサイクルなどに左右されてしまうのか。

そもそも、男性と同じ社会生活をしようと思うなんて所詮無理なのではないかと、普段であれば考えないような悲観的な気持ちがどんどん膨らむ。

ーはぁ…。とりあえずこの状況をなんとかしないと。

可奈子の上席である橘が可奈子の代わりに出席するとなれば、この場はきっとおさまるだろう。

―本当は言いたくなかったけど、橘さんには本当のことを話しておいたほうがいいのかな。

可奈子は大きく息を吐くと、憂鬱な気持ちのまま橘の部屋へと向かうことにした。

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