ミナミちゃんの恋人 Vol.3

「下町VS山手」の格差。ハンサムな恋人が抱える、知られざる過去の闇

―どうして私が、こんな辺鄙な土地に住むの...?―

幸せな家庭を築くことを夢見て、コツコツと女としての人生の駒を進めてきた大手航空会社CAの美波(ミナミ)、27歳。

ルックス・収入・性格とともに完璧な港区男子・孝太郎と出会い、順調に婚約まで済ませた、まさに幸せの絶頂期。

「浅草に住もう」という彼の提案に戸惑う美波だが、さらに「孝太郎は“下町の成り上がり”」と忠告を受けた。


「まぁ、孝太郎は所詮、“下町の成り上がり”だから」

不敵な笑みを浮かべて言った圭太に、美波は戸惑いを隠せない。

そして、彼に対して不快感と怒りが込み上げると同時に、その言葉の真意も気になってしまう。

「ちょ、ちょっと圭太くん...」

友人の恵美が焦った様子で圭太を制すが、彼はニヤニヤと美波を見つめたままである。

歌舞伎役者風の濃いめの顔に、高圧的な態度。美波は当初から、この圭太が少し苦手であった。

彼はたしか丸の内勤務の商社マンで、孝太郎とは“御三家”と呼ばれる都内の中高一貫の男子校からの付き合いだと言っていたはずだ。

そんな友人が、どうして孝太郎を馬鹿にするような発言をするのだろうか。

「どういう意味ですか...?」

聞きたくない。でも、聞きたい。

そんな衝動を抑えることができず、美波はつい圭太の嫌味に耳を傾けてしまった。

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