東京の勝ち組女である“港区妻”に、実は純然たる階級がある。頂点に君臨するのは、名門に生まれた生粋の「東京女」。
一方、結婚により港区妻の仲間入りを果たした女もいる。地方出身で元CAの桜井あかりも、そのうちの一人。
順風満帆な人生を歩んできたあかりが次に挑むのは、慶應幼稚舎受験であった。
信頼する友達・凛子の計らいで紹介制の個人教室を訪れると、美貌の講師、北条ミキに、旬の素質を指摘され、幼稚舎受験に心が傾く。
しかし玲奈と百合は、あかりの甘さを指摘、幼稚舎出身の玲奈のお茶会に呼ばれたあかりは、レベルの違いに愕然とする。悩むあかりだったが、凛子に叱咤激励され、受験を決意。
そして半年後、受験の天王山と言われる7月を迎えた。慶應幼稚舎説明会に向かったあかりと修司は―。
「さすがの環境だったなぁ……。校内に並んでた動物の剥製や化石、本物だろ?標本もすごかったし、子供たちの油絵も上手だった」
幼稚舎を出て、古川橋近くまで歩いたところでタクシーを拾うと、修司は興奮冷めやらぬ様子でネクタイを緩める。
どうなることかと心配していたが、講堂で舎長の......
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この記事へのコメント
無駄な戦いはやめよう。